2014年8月29日金曜日

ネゴシエイター―人質救出への心理戦(ベン ロペス):おすすめ本

K&R(キッドナップフォーランサム 身代金目的の誘拐)のネゴシエーター(交渉人)として活躍してきた著者の実際にあった交渉の様子が書かれています。

ネゴシエイター―人質救出への心理戦(ベン ロペス)




テロリストなどによる誘拐事件で身代金や交換条件を要求された場合、それに一旦応じてしまうと、また同じような事件が繰り返されてしまうという懸念から、そういった要求には一切応じないとしている国も多い中、著者は、身代金を支払う前提で犯人達と交渉し、人質を無事に取り戻すというのを一番に考えています。


この本では、そんな交渉の中で行われる犯人との心理戦が、科学的な効果の説明を織り交ぜながら書かれており、ただ単に事件が解決していく様子だけではなく、なぜそうするのか、なぜそうなったのかがわかるようになっています。

警察や軍とは違い、あくまでビジネスとして身代金と人質の交換を成功させるべくたんたんと仕事を進める交渉人。
決して犯人を捕まえることが目的でないというのがちょっと新鮮でした。

交渉人のたくみな心理作戦によって、犯人たちがだんだんと変化していくさまはまさに見もの。
文章がちょっと読みにくかったですが、ヘタな映画や小説よりリアルなだけあって面白かったです。


【楽天ブックスならいつでも送料無料】ネゴシエイター [ ベン・ロペス ]
【内容】
人質が生きるか、死ぬか、極限状態での駆け引き。一本の電話回線を介した緊迫の交渉。真実を描くため、実名は明かせなかった交渉人自らが語る、衝撃のノンフィクション。
【目次】
第1部 エンド・ゲーム(身柄)/第2部 ビジネス(ゴムのニワトリ/売り込み/もっとも長い道のり)/第3部 降下地域(初動/損の上塗り/詐術/シェパードの祈り)/第4部 新しい波(最後の手段/裸の王様)/第5部 不和(立てこもり/交渉人部屋/ジャーの兵士/突破口/長い議論/帰ってほしい/高値の標的/魔女の集会)/第6部 海賊たち(ザ・ウルフ/循環)
【著者情報】
ロペス,ベン
アメリカ・ニューヨーク生まれ。子供時代を南米ベネズエラで過ごす。大学では心理学を専攻、卒業後は病院の精神科に勤務。その後、身代金目的の誘拐事件での交渉人に転じ、コンサルタントとして20年のキャリアを持つ。その活動範囲はメキシコからコロンビア、中東まで世界各地に及ぶ。“ベン・ロペス”は仮名で、職業上の理由から実名は明らかにしていない。現在、ロンドン在住(「BOOK」データベースより)

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