2013年7月25日木曜日

ダライ・ラマ科学への旅―原子の中の宇宙(ダライ・ラマ14世著/伊藤 真訳):おすすめ本

ダライ・ラマ自伝」、「ドキュメント宇宙飛行士選抜試験」、「もしも宇宙を旅したら 地球に無事帰還するための手引き」に続いて読んだのがこの本。
関連した内容の本を続けて読むと、どれもが少しずつリンクしていて、理解する手助けになります。

ダライ・ラマ科学への旅―原子の中の宇宙(ダライ・ラマ14世著/伊藤 真訳)




「宗教」と「科学」、一見すると対極にあるようなふたつですが、科学好きな仏教僧ダライ・ラマ14世が、仏教の専門的知識と、世界の科学者などから得た科学の知識を比較・融合して、お互いに協力してよりよい世界にしていく道や方法を考察しています。

相対性理論から量子力学、生物学、心理学などなど、あらゆる分野の論理が展開され、それらに仏教を絡めて話が進んでいくのですが、ずっと読んでいくと、ダライ・ラマの科学的知識の豊富さと共に、仏教哲学と科学的な考え方が一致する部分が多いのに驚かされます。




仏教分野、科学分野からさまざまな専門用語が飛び出してくるので、理解しながら読み進めるのはなかなか骨が折れますが、科学者ではない人からみた考察というのはとても面白い。

科学者だったら暗黙の了解であえて触れない部分も、ダライ・ラマは率直に疑問を呈していて、それが自分も思っているようなことだととても親近感が沸きます。

例えば、

科学者たちはビッグバンによって宇宙が誕生したというが、その前はどうなっていたのか?

など、まったく私も同感です。
これにはいろいろと説があるようですが、まだ解明されていません。詰まるところ、これがわからなければ「宇宙誕生」の解明にはならず、科学的知識に自ら限界を設けてしまうことになるということです。

チベット文化圏には何箇所か行って、チベット仏教についても少々学びましたが、本書を読むことによって、あの教えの中にはこんなにもたくさんの意味が込められていたのだということを知りました。

チベット仏教と科学の入門書を読んでから読むとわかりやすいと思います。


【送料無料】ダライ・ラマ科学への旅 [ ダライ・ラマ(14世) ]
【本の概要】
ダライ・ラマ14世が語る科学の世界と仏教の生き方。量子物理学や宇宙論から生命科学に至るまで、現代科学の世界観を仏教の生命観や倫理観を通じて検証し、ときに科学と仏教の統合を試みながら、地球の未来を探る。
【目次】
第1章 これまで考えてきたこと/第2章 科学との出会い/第3章 相対性理論、量子物理学、仏教の「空」/第4章 ビッグバンと仏教の宇宙/第5章 進化論、業、心の世界/第6章 意識とは何か/第7章 意識の科学へ向けて/第8章 意識の世界を探る/第9章 新しい遺伝学と倫理/終章 科学、精神性、そして人類について
【著者情報】
ダライ・ラマ(Dalai Lama)(ダライラマ)
ダライ・ラマテンジン・ギャツォ。1935年、チベット東北部アムド地方に生まれる。2歳のときにダライ・ラマ法王13世の転生者として認定される。1950年、チベットの政治・宗教の指導者となる。1959年、中国のチベット侵攻による情勢悪化を受け、インドへ亡命。インド北部のダラムサラにチベット亡命政権を樹立。1989年、ノーベル平和賞受賞。2011年、チベットの民主化のため、政治的権限を選挙で選出された主席大臣に委譲。1987年以来、最先端で活躍する各国の科学者たちと「心と生命」に関する討議を開催し、科学と仏教の対話を推進している
(「BOOK」データベースより)

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