2013年7月16日火曜日

ダライ・ラマ自伝(ダライ・ラマ14世著/山際 素男訳):おすすめ本

ぜひ一度、多くの人に読んでほしい本です。

ダライ・ラマ自伝(ダライ・ラマ14世著/山際 素男訳)



ノーベル平和賞を受賞したダライラマ14世がチベットの東に位置するアムドに誕生してから13世の生まれ変わりとして見出されるまでの過程や、1959年のインドへの亡命に至るまでの状況とその旅路の様子、チベット仏教とダライラマを心の支えとしてチベット本土で生きる人々の過酷な現状など、ダライラマの視点で知ることが出来ます。

ここでは個人的な感想は置いておいて、本書で触れている以下の二つの事実をご紹介したいと思います。



十七ヵ条協定


1951年に北京で中国から強制的に締結させられた協定
※和訳出典:ダライラマ著(木村肥佐生訳)『チベットわが祖国』(亜細亜大学アジア研究所刊、1986)
第一条
チベット人民は団結して、帝国主義侵略勢力をチベットから駆逐し、チベット人民は中華人民共和国の祖国の大家族の中に戻る。

第二条
チベット地方政府は、人民解放軍がチベットに進駐して、国防を強化することに積極的に協力援助する。

第三条
中国人民政治協商会議共同綱額の民族政策に基づき、中央人民政府の統一的指導のもと、チベット人民は民族区域自治を実行する権利を有する。

第四条
チベットの現行政治制度に対しては、中央は変更を加えない。ダライ・ラマの固有の地位および職権にも中央は変更を加えない。各級官吏は従来どおりの職に就く。

第五条
パンチェン・エルデニの固有の地位および職権は維持されるべきである。

第六条
ダライ・ラマ、およびパンチェン・エルデニの固有の地位および職権とは、十三世ダライ・ラマおよび九世パンチェン・エルデニが互いに友好関係にあった時期の地位および職権を指す。

第七条
中国人民政治協商会議共同綱領が規定する宗教信仰自由の政策を実行し、チベット人民の宗教信仰と風俗習慣を尊重し、ラマ寺廟を保護する。寺廟の収入には中央は変更を加えない。

第八条
チベット軍は逐次人民解放軍に改編し、中華人民共和国国防武装兵力の一部とする。

第九条
チベットの実際状況に基づき、チベット民族の言語、文字およぴ学校教育を逐次発展させる。

第十条
チベットの実際状況に基づき、チベットの農・牧畜・商工業を逐次発展させ、人民の生活を改善する。

第十一条
チベットに関する各種の改革は、中央は強制しない。チベット地方政府はみずから進んで改革を進め、人民が改革の要求を提出した場合、チベットの指導者と協議する方法によってこれを解決する。

第十二条
過去において帝国主義と親しかった官吏および国民党と親しかった官吏は、帝国主義および国民党との関係を断固離脱し、破壊と反抗を行わない限り、そのまま職にあってよく、過去は問わない。

第十三条
チベットに進駐する人民解放軍は、前記各項の政策を遵守する。同時に取引きは公正にし、人民の針二今糸一本といえども取らない。

第十四条
中央人民政府は、チベット地区のいっさいの渉外事項を統一して処理し、かつ平等、互恵、およぴ領土主権の相互尊重という基礎の上に隣邦と平和な関係を保ち、公平な通商貿易関係を樹立発展させる。

第十五条
本協約の施行を保証するため、中央人民政府はチベットに軍政委員会および軍区司令部を設立する。中央人民政府が派遣する人員以外に、できるだけチベット地方の人員を吸収して工作に参加させる。
軍政委員会に参加するチベット地方の人員には、チベット地方政府および各地区・各主要寺廟の愛国分子を含むことができ、中央人民政府が指定する代表と関係各方面が協議して名簿を提出し、中央人民政府に任命を申請する。

第十六条
軍政委員会、軍区司令部、およびチベット進駐人民解放軍の所要経費は、中央人民政府が支給する。チベット人民政府は、人民解放軍の食糧およびその他、日用品の購買と運輸に協力するものとする。

第十七条
本協約は署名捺印ののち、直ちに効力を発する。


和平五項目


1987年にアメリカの議会でダライラマ14世が演説内で提言
※和訳出典:ダライ・ラマ自伝 [ ダライ・ラマ(14世) ]
  1. チベット全土を平和地帯に変える
  2. 一民族としてのチベット人の存在そのものを脅かす中国の人口移住政策の廃止
  3. チベット国民の基本的人権並びに民主的自由の尊重
  4. チベットの自然環境の回復と保護並びに、核兵器生産にチベットを利用することを止め、核廃棄物の処理場とすることの禁止
  5. チベットの将来の地位並びに、チベットと中国国民の関係についての真剣な話し合いの開始
各項の詳細

実際チベットに行ったときも、ダライラマの写真が飾られていなかったり、それに関する言動の規制や本土以外(ラダックとか)のチベット僧の入域の不可、中国に対する地元民の騒乱などが事実としてありました。
また、十七か条協定から35年以上経ってからのダライラマ法王の発言をみても、協定に対するこれまでの中国のあり方というのがよく見えてくる気がします。

この本を読んでみなさんはどう感じるでしょうか。


【本の概要】
チベットの宗教的、政治的最高指導者として精力的に平和活動をつづけ、ノーベル平和賞を受賞した第14世ダライ・ラマが、観音菩薩の生れ変わりとしての生い立ちから、長きにわたる亡命生活の苦悩、宗教指導者たちとの交流、世界平和への願いなどを、波乱の半生を振り返りつつ語る。チベットとダライ・ラマを知る恰好の入門書。
【目次】
白蓮を持つ人/獅子の玉座/侵略ー嵐の到来/南へ避難/共産主義中国/ネール氏の拒絶/亡命を決意/絶望の年/十万の難民/僧衣を着た狼/“魔術と神秘”について/チベットからの便り/平和への提言/普遍的責任と善意
【著者情報】
ダライ・ラマ(Dalai Lama of Tibet)(ダライラマ)
1935年、チベット北東部のタクツェルで生れる。38年に第13世ダライ・ラマの生れ変わりと認定され、40年に第14世ダライ・ラマとして即位する。中国当局との関係悪化により、59年にインドへ亡命、現在もダラムサラに亡命政府をおき、平和活動をつづけている。89年にノーベル平和賞を受賞
(「BOOK」データベースより)

【本の概要】
化身転生者としてチベットの宗教界・政治界の最高責任者となった十四世ダライ・ラマ。中国の度重なる弾圧、インド亡命という苛酷な運命に抗し、釈尊に発する非暴力によって祖国の解放と平和を希求する感動の自伝。
【目次】
農夫の息子/悟りを求めて/心の平和/隣人・中国/侵略/共産中国との出会い/弾圧のもとで/インド巡礼の旅/決起/ラサの危機/脱出/亡命、海外流浪へ/現在と将来
【著者情報】
ダライ・ラマ(H.H.The Dalai Lama)(ダライラマ)
1935-。チベット東北部タクツェルに生まれる。13世ダライ・ラマの化身として迎えられ、40年、第14世に即位。50年、中国の東チベット侵入に際し、亜東に身を移す。翌年、チベットの平和解放に関する17条協定調印。ラサに帰還後の59年、チベットで全国的な反乱、それに対する中国の弾圧によってインドに亡命。非暴力による祖国の解放運動に携わったことが認められ、89年ノーベル平和賞受賞。これまでに8度訪日
(「BOOK」データベースより)

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