幸福大国ブータン 王妃が語る桃源郷の素顔(ドルジェ・ワンモ・ワンチュック著/今枝由郎訳)
ブータンののどかなノプガン村で誕生した王妃のこれまでの自伝と、ブータンという神秘の国の歴史や文化などが詳しく書かれており、ブータンを知るうえでとても参考になります。
私自身は、ブータンへは、現国王(第五代国王)の戴冠式を見学するために一度訪れているので、立ち寄った場所の様子を思い出しながら読みました。
ブータンは、世界で唯一チベット仏教(ドゥク派)を国教とし、GNP(国民総生産)ではなくGNH(国民総幸福量)を提唱しているユニークな国です。
GNHとは、物質的・経済的な豊かさよりも、自国民が幸せに暮らせる心の豊かさを優先する指標で、実際に行った調査では、ブータン国民の97%が幸福だと感じているそうです。
独自の文化を守るために、仕事場などの公共の場所での民族衣装の着衣の義務化や、伝統様式を取り入れた建築の規制、森林の伐採に対する厳しいルールなど、急速にグローバル化する中でもそれはしっかりと守られています。
また、王室への敬愛がとても高いのも特徴のひとつでしょう。
ブータンを訪れた時も、どこかの国のように無理やり「王様万歳」と言わされている感はまったくなく、みんな本当に王室のファンであることがヒシヒシ伝わってきました。
そういうところからも、ほとんどの国民が幸せに感じているということが伺えます。
そんな独自の文化を持つ小さな国に興味を持ったら、この本を読んでみるといいと思います。
【送料無料】幸福大国ブータン [ ドルジェ・ワンモ・ワンチュック(ブータン ]
【本の概要】
国民の約97%は幸福である(2005年の国勢調査より)。40年前には国土の5割以下だった森林面積が、7割以上に回復。…その国は、ブータン。経済成長ではなく「国民総幸福」を国の指標とし、独自の「豊かさ」を築くブータン。この幸福大国に生まれ育った第四代国王王妃が、知られざる祖国の素顔を、少女時代の思い出や年中行事、ブータン人の死生観などを通じて感性豊かに描く。
【目次】
雷龍の国ブータン/第1部 ブータンに生まれ育って(「宝の丘」の村/年中行事と祭り/馬に乗って/新しい家の落慶法要)/第2部 ありのままのブータン(聖なる風景/温泉と湯治/「ここは、いつか来たことがある」/ゾンとチョルテン)/第3部 ブータン人と仏教
【著者情報】
ワンチュック,ドルジェ・ワンモ(Wangchuck,Dorji Wangmo)(ワンチュック,ドルジェワンモ)
第四代ブータン国王ジクメ・センゲ・ワンチュックの王妃。1955年ブータン王国プナカ県、ノプガン村に生まれる。インド西ベンガル州・ダージリンで教育を受ける。ブータンの歴史・伝説・民間伝承の研究に深い関心を寄せるかたわら、ブータン国内遠隔地への教育・医療面での支援活動を続ける
(「BOOK」データベースより)
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