2013年7月24日水曜日

もしも宇宙を旅したら 地球に無事帰還するための手引き(ニール・F・カミンズ著/三宅 真砂子訳):おすすめ本

先日、ドキュメント宇宙飛行士選抜試験を読みましたが、そのあと続けて読んだ本です。

もしも宇宙を旅したら 地球に無事帰還するための手引き(ニール・F・カミンズ著/三宅 真砂子訳)



宇宙飛行士選抜試験は、最終的に選ばれた候補者たちが夢に向かってがんばる内容でしたが、こちらは現在までにわかっている科学的根拠に基づき、候補生たちにとっての夢の舞台である宇宙を実際に旅したらどうなるかという現実と予測が終始真面目でネガティブに書かれています。

具体的には、旅行先の各惑星で遭遇する可能性のある自然災害、スペース・デブリの襲来、宇宙放射線や太陽風による被爆、逃げ場のない宇宙船内での精神異常、無重力などの環境の変化における身体の虚弱化、さらには家族と長期間離れることからおこる家庭内不和までさまざま。

宇宙での生活は本当に困難なのだと思い知らせれます。




本書では、実際に旅をする架空のベテラン宇宙飛行士マックの体験記と、それに関連する解説で構成されているのですが、そのどれもが見事に落ち込む内容ばかり。
どんなに読み進んでも希望が見えず、最後には崖の底に突き落とされて(気分的に)終わるという徹底振り。

その次々と畳み掛けるように迫ってくる悲壮感に、しまいには笑いがこみ上げてくるほどです。
読み終わった後、思わず「あ~面白かった」と言ってしまいました。

宇宙に行きたいと思えるような要素はひとっつもなく夢も希望も持てませんが、なぜだか笑えて勉強にもなる科学書です。


【送料無料】もしも宇宙を旅したら [ ニール・F.カミンズ ]
【本の概要】
宇宙には、どんな危険があるのか?安全な旅のためにするべきことは?惑星の環境、宇宙船、人間の身体への影響など、宇宙旅行の安全性をあらゆる角度から検証した、ロマンあふれる科学シミュレーション。
【目次】
第1部 空気、土壌、水による危険/第2部 放射線の危険/第3部 衝突の危険/第4部 人間が引き起こす危険/第5部 医学的な危険/第6部 人間関係などが生む危険/第7部 地球への適応能力を取り戻す
【著者情報】
カミンズ,ニール・F.(Comins,Neil F.)(カミンズ,ニールF.)
1951年生まれ。宇宙物理学者、アメリカ、メイン大学の天文学・物理学教授。同大学でスーパーコンピュータを用いて銀河系モデルの研究を行っている
(「BOOK」データベースより)

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