2013年8月8日木曜日

ガリレオ―はじめて「宇宙」を見た男 (ジャン・ピエール・モーリー 著/田中一郎 監修/遠藤ゆかり 訳):おすすめ本

16世紀から17世紀に活躍したガリレオの伝記。

ガリレオ―はじめて「宇宙」を見た男 (ジャン・ピエール・モーリー 著/田中一郎 監修/遠藤ゆかり 訳)




当時の実験の様子を書いた絵や、ガリレオ直筆の文書などが満載で楽しみながら読めます。

自作の望遠鏡で宇宙を観察し、コペルニクスの地動説を証明。
しかし、それが事実だと都合の悪い教会やガリレオを良く思わないほかの学者たちに目をつけられ次第に敵が増えていきます。
そしてついに、異端審問所により裁判にかけられ有罪の判決が。



ガリレオが亡くなった年にニュートンが生まれていますが、これがチベット圏だったら「ニュートンはガリレオの生まれ変わり」とか言われてリンポチェになっていたかも、などと思ってしまいました。
それぐらい上手い具合に続けて偉人が出現したものです。


それにしても、数々の根拠があるにも係わらず地動説を否定してきた教会が、やっとそれを認めたのがついこの間の1992年というのはいくらなんでもって感じです。
きっと、内部では「もうそろそろ限界でしょ」といった真剣な議論がなされていたのでしょう。

簡単には認められない様々な大人の事情があったのだと思いますが、年代が進むにつれ、否定する彼らも複雑な気持ちだったのではないでしょうか。
なにしろ、1961年には人類が宇宙にいく時代になってしまったのですからね。



ガリレオが裁判で有罪になったあと「それでも地球は動いている」と呟いたというのは有名ですが(実はこれはガリレオの弟子がでっちあげたという説もあるらしい)、実際、事実というのはそういうことなのでしょう。
いくら今までの説と違ってもそれが紛れもない事実だと証明されれば、国の事情とか宗教の都合とか関係なくパラダイムシフトが起こりそれが当たり前になっていく。

チベットのダライラマ14世は、今まで受け継がれてきた仏教の教えでも科学によって間違いだと証明された事柄は修正していかなくてはならないと言っています。
これができるかできないか、人として差が出るとこなんだろうな。

【送料無料】ガリレオ [ ジャン・ピエール・モーリ ]
【目次】
第1章 地動説の支持者、ガリレオ/第2章 天空からのメッセージ/第3章 フィレンツェでの勝利/第4章 罠にかかったガリレオ/資料編
【著者情報】
モーリ,ジャン=ピエール(Maury,Jean-Pierre)(モーリ,ジャンピエール)
1937年生まれ。2001年没。パリ第7大学で物理学を教えていた。物理学の教科書や科学の入門書を数多く出版
(「BOOK」データベースより)

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