混雑エリアを抜けると少し広々とした場所に出て、やっと自由に行き来できるようになります。
ここには、「宇宙に挑んだ先駆者たち」が開発したロケットなどが展示されていて、いよいよ宇宙っぽくなってきました。
●宇宙に挑んだ先駆者たち
宇宙に挑む夢の実現に向けて挑戦を続けてきた科学者たちの研究と、その成果を紹介します。20世紀前半に活躍した最初の挑戦者たちは、19世紀後半のSF小説ブームに影響を受け、宇宙旅行という夢を実現しようと、基礎的なロケット技術の理論化、技術開発を行いました。20世紀前半に生まれた次の世代の人たちは、先人たちの理論と基礎技術を受け継ぎ、より高度な技術へと発展させ、1942年にはロケットによる最初の弾道飛行を達成しました。そのわずか四半世紀の後に、人類初の月面着陸と帰還を実現したのです。
●液体燃料ロケットの理論
宇宙飛行のためには、強力なロケットが必要。そのための液体燃料ロケットは、ソ連の科学者ツィオルコフスキーが理論化した。
ここに書かれている真ん中のスケッチは、ツィオルコフスキーが書いた液体燃料ロケットの原理図。
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●セルゲイ・コロリョフ(1906年12月30日~1966年1月14日)
旧ソビエト連邦宇宙計画の中心人物。少年時代に航空学へ関心を持ち、17歳で最初の滑空機を作った。しかし、彼の関心は航空工学からロケット推進へと移った。
1931年には、ソ連初の国立のロケット開発機関の一つ、GIRD(反動推進研究班)の設立に参加、2年後にRNII(ジェット推進研究所)の副部長に任命される。
1938年、スターリン大粛清で逮捕される。同僚たちも研究の遅れを理由に逮捕される。コロリョフは、シベリアの強制収容所へ10年間の流刑を宣告された。後のモスクワの収容所に移され、第二次世界大戦の間、恩師のトゥーポレフとともに、政府のために働いた。
終戦後、スターリンは弾道ミサイル開発を国家的課題とし、コロリョフは主任技師に任命された。
1957年のスターリン死後、彼への告発はすべて不当とされ、世界初の大陸間弾道ミサイルおよび初の人工衛星スプートニク1号の打ち上げの成功を主導した。
コロリョフは、さらに1961年にユーリ・ガガーリンを宇宙へ運んだボストーク号を開発、ソ連の宇宙計画を主導し続けたが、その健康は過労によって悪化していた。
彼は1966年に亡くなったが、その業績と身元は、彼の死後まで、広く知られることはなかった。
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●大気圏再突入:ジュピターロケットから回収されたノーズ・コーン(ロケットの先端の部分)
宇宙開発が始まったころは、まだ大気圏再突入の時にどのような事が起こるのかも良く分かっていなかった。それでロケットの先端部に測定器を積み込んで調べた。これはそのころ使われたジュピターロケットの先端部(ノーズコーン)。
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●ネズミを宇宙に送りこむ
人間が宇宙飛行を行う前に、アメリカもソ連も宇宙で生物がどんな影響を受けるか、いろいろな動物を使って実験を行った。アメリカは1950年にV-2でネズミを打上げている。
これはアメリカがネズミを乗せて宇宙に送った時の実験装置。
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●ロケットエンジン
アポロ計画に使われたサターンVロケットには、より強力で、細かな制御ができる液体ロケットエンジンが使われました。液体ロケットエンジンは、液体の推進薬(燃料と酸化剤)を燃焼させて高温ガスを高速で噴出させ、その反作用で推力(物体を推し進める力)を得ています。液体ロケットエンジンの主な構成要素は燃焼器と燃焼器に高圧で燃料を送り込むターボポンプで、燃焼器は、燃料を燃やす燃焼室と、燃焼ガスを加速するためのノズル(スカートのように拡がった部分)で構成されています。
●液体燃料エンジン
これがタイタンロケットの第一段のエンジン、左にあるのが第二段のエンジン。もちろん液体燃料エンジン。このタイタンロケットを改良したロケットがジェミニ宇宙船の打ち上げに使われた。エンジンは本物。
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●サターンVロケット
サターンVロケットは全長111メートルの大型ロケットで、月を目指すアポロ計画で宇宙船を軌道に乗せるために使用されました。3段式で、1段目にはF-1エンジンが、2段目と3段目にはJ-2と呼ばれるエンジンが使われました。F-1は液体燃料エンジンで、1秒間に12,848リットルの液体酸素とケロシンを燃焼させる強力なエンジンのため、燃焼試験の時にはその衝撃で近隣の家の窓ガラスを破壊する程でした。サターンVロケットは、1973年のスカイラブ宇宙ステーションの打ち上げまで使われました。
●月に向かったロケット
サターンVは全長約111メートル。三段式のロケットだが、その大部分は燃料タンク。一番先にある円錐形の部分がアポロ司令船。この部分が向きを変えて月着陸船とドッキングし、月着陸船をひっぱりだしてから月に向かった。
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