ニュートン―宇宙の法則を解き明かす (ジャン・ピエール・モーリー 著/田中一郎 監修/遠藤ゆかり 訳)
ガリレオ・ガリレイが亡くなった年の1642年のクリスマスに生まれたアイザック・ニュートン。
類まれな頭脳を持ち、若い頃から数々の功績を残してきましたが、その人柄は内気で静けさを好み、人と争うくらいなら自分の発見した理論も世の中に発表しなくていいという人だったそうです。
そのため、有名な「万有引力」などは、発見から発表まで20年の月日を要しました。
また、数々のめぐり合わせにも恵まれており、例えば、ケンブリッジ在学中にペストが流行り、一時田舎に帰郷し、大学での雑務から開放されて自由に発想ができる18ケ月の時間を得られたお陰で、その期間(後に「驚異の年(アヌス・ミラビリス)」と呼ばれる)に、万有引力、光学、微積分法などを発見しました。
さらに、非常に名著な「プリンキピア(自然哲学の数学的原理)」を刊行することができたのは、友人となるハリーと出会ったためで、もし彼がいなければ、世の中に出ていなかったかも知れません。
プリンキピアは非常に難解な内容でしたが、発刊当初、完全に理解できた科学者はヨーロッパでは10人ほど、そして、詳細はわからなくても大まかな全体像を理解する科学者は大勢いました。
一般人にはほとんど理解できませんでしたが、結果的には広く受け入れられ成功を納めました。
その難しさは今でも変わらず、数々の解説書が出ています。
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また、ニュートンに纏わる伝記で「りんごが木から落ちるのを見て万有引力に気づいた」という話がありますが、それは作り話の可能性が高く、本当はどうだったのかということもこの本に掲載。
本書では、実際にニュートンが描いた図や、当時の様子や一般的な概念を絵にした挿絵もたくさん掲載されているのでイメージがわきやすいと思います。
ガリレオとニュートンを続けて読むとさらに面白いかもしれません。
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【内容】
1665年6月、ペストが大流行したためケンブリッジ大学は閉鎖され、学生や教師たちは立ち退きを余儀なくされた。そのなかに学士の称号を得たばかりのアイザック・ニュートンという若者がいた。当時23歳だった彼もまた、ケンブリッジを去り、生まれ故郷に一時帰省する。そして驚くべきことに、わずか1年半のあいだに、微積分法、光学(色彩論)、万有引力の法則という3つの大理論の基礎を築くことになったのである。この期間を歴史家たちは「驚異の年」とよんでいる。
【目次】
第1章 1665~66年-驚異の年/第2章 近代天文学の誕生/第3章 反射望遠鏡から重力まで/第4章 ついに、万有引力が!/第5章 勝利に次ぐ勝利/資料篇
【著者情報】
モーリ,ジャン=ピエール(Maury,Jean-Pierre)(モーリ,ジャンピエール)
1937年生まれ。2001年没。パリ第7大学で物理学を教えていた。物理学の教科書や科学の入門書を数多く出版
(「BOOK」データベースより)
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