日本人宇宙飛行士とISS(国際宇宙ステーション)のコーナーでは、ISSの模型が天井から吊り下げられていました。
●日本人宇宙飛行士の活躍
日本では1990年12月2日、秋山豊寛宇宙飛行士がジャーナリストとしてソユーズ宇宙船でロシアの宇宙ステーション「ミール」に行き、約1週間滞在の後地球に帰還、日本人として初めて宇宙飛行をしました。1992年9月12日には毛利衛宇宙飛行士がスペースシャトルで飛行し、約1週間34テーマの本格的な宇宙実験を行いました。1994年7月には向井千秋宇宙飛行士、1996年1月には若田光一宇宙飛行士がそれぞれスペースシャトルに乗り込み、各種実験を行いました。1997年11月には土井隆雄宇宙飛行士がスペースシャトルに搭乗し日本人初船外活動(宇宙遊泳)を行い、1998年10月に向井宇宙飛行士が、また、2000年には毛利宇宙飛行士がそれぞれ2度目の宇宙飛行・宇宙実験を行いました。
1998年から開始されたISSの建設のためのフライトに2000年には若田宇宙飛行士が、また2005年に初フライトの野口聡一宇宙飛行士がスペースシャトルに搭乗し参加しました。さらに、2008年に土井宇宙飛行士が「きぼう」日本実験棟の「船内保管室」を、星出彰彦宇宙飛行士が初フライトで「船内実験室」をそれぞれISSに取り付けました。2009年には、日本人初のISS長期滞在していた若田宇宙飛行士が「きぼう」の「船外実験プラットフォーム」を取り付け、日本の実験棟「きぼう」を完成させました。
2010年には野口宇宙飛行士がISSに長期滞在中、山崎直子宇宙飛行士が初飛行でISSに滞在し、日本人2人が同時に宇宙で実験などを行いました。
2011年には古川聡宇宙飛行士が初飛行でISSに長期滞在し、2012年には星出宇宙飛行士がISSに長期滞在をしています。そして2013年11月、若田宇宙飛行士が4度目の宇宙飛行、そして2度目のISS長期滞在に向かいました。若田宇宙飛行士は6ヶ月の滞在中、後半の2ヶ月間はアジア初となるISSの船長として6人の長期滞在クルーの指揮をとりました。船長就任は、若田飛行士のこれまでの実績やリーダーシップの他、「きぼう」や「こうのとり」を通じた日本のこれまでの取り組みなどが国際社会から評価され、信頼を勝ち得た結果です。
新たに油井亀美也、大西卓哉、金井宣茂の3氏が宇宙飛行士として選抜され、2015年には油井宇宙飛行士が、2016年には大西宇宙飛行士が、それぞれISSに長期滞在する予定です。
●有人開発への挑戦 国際宇宙ステーション有人宇宙開発
無重力、超真空、高太陽エネルギーなどの宇宙環境を本格的に利用するためには、宇宙飛行士が宇宙空間に長期滞在し、観測や実験を行う必要があります。そのための施設である宇宙ステーションは1971年に旧ソ連が打ち上げた「サリュート1号」に始まりました。アメリカでは1973年に「スカイラブ」を打ち上げました。その後、アメリカは1981年に「スペースシャトル」を開発し、30年間にわたり、宇宙輸送や宇宙実験を行いました。1998年からは、日本を含む世界15ヶ国の協力により、国際宇宙ステーション(ISS)の建設が行われ、さまざまな実験や観測が行われています。
●国際宇宙ステーション(ISS)
人類が宇宙に長期滞在して行う活動には無限の可能性が秘められており、科学面では、宇宙の誕生や生命の起源の解明等といった宇宙科学の飛躍的な発展が、実用面では無重力等の宇宙環境を利用した新素材・新薬品の創製が期待できます。また、長期的には、種々の天体資源・豊富な太陽エネルギーを利用して月面基地や、火星基地を建設し、さらに宇宙で生活活動を行う宇宙工場、人間が常駐できる宇宙都市の実現も夢ではありません。
この夢を実現するための第一歩として、日米欧加露が協力し20世紀末から国際宇宙ステーションを建設する計画が進められており、新素材創製などの宇宙環境利用実験、人間が宇宙に長期滞在する際の人体への影響に関する研究、天体観測基地としての利用等を目的とします。
●国際宇宙ステーションの機能
- 地球軌道上の実験室(広範な分野の科学実験、理工学実験、材料実験、ライフサイエンス実験等の研究)
- 製造施設(高純度結晶、半導体等の新材料の製造)
- 長期観測施設(地球および天体の観測)
- 組み立て施設(大型構造物の組み立て)
●ISSの構造
ISSは、大きく二つの部分に分けられます。与圧モジュールとトラスです。与圧モジュールは、真空の宇宙から密閉され、人間が生存できるレベルに酸素分圧が保たれている空間で、ISSに滞在している宇宙飛行士が生活している場所です。人類史上最大の宇宙施設の中はどのようになっているのか紹介します。
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