日本の宇宙開発の歴史や、技術を結集したロケット・エンジンの展示コーナーです。
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●日本の宇宙開発の始まり
第二次世界大戦における敗戦後、日本の航空技術は7年にわたり研究・開発・製造が禁止されました。そのような中、東京大学生産技術研究所の糸川博士は航空機を超えてロケットの開発に着手、1955年4月、ペンシルロケットの発射実験を行い、日本の宇宙開発の礎を築きました。日本の宇宙開発技術の底辺には、今もなお博士の卓越した発想、思想が息づいています。ペンシルに始まるロケット技術は、M-VロケットやH-ⅡAロケット、そしてイプシロンロケットに受け継がれ、日本の宇宙開発を担っています。
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●衛星開発
1957年にソ連が打ち上げた世界最初の人工衛星スプートニク1号以来、さまざまな目的をもった人工衛星が打ち上げられ、運用・利用されてきました。その数は現在では7000個にもなります。日本最初の人工衛星は、1970年に打ち上げた「おおすみ」です。この成功によって、日本は世界で4番目の人工衛星打ち上げ国となりまし。また、1977年には「きく2号」を静止軌道に打ち上げることに成功し、静止衛星を打ち上げた世界で3番目の国になりました。日本ではこれまでに100個を越える人工衛星を打ち上げ、運用しています。
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●ロケット開発 ロケット・輸送システム
日本最初のロケットは、1955年に東京大学生産技術研究所の糸川英夫教授の指導のもとに水平発射実験が行われたペンシルロケットです。その技術成果をもとに、大型・高性能に向けた開発が進められ、1997年にはM-Vロケットが開発されました。一方、宇宙開発事業団(NASDA)は、1975年、アメリカからの技術導入により液体燃料ロケットであるN-1ロケットを開発。2001年には、より大型高性能化したH-ⅡAロケットを開発し、運用しています。2003年にJAXAとして統合された後は、2009年にH-ⅡBロケットを、2013年に新型固体ロケット「イプシロン」を打ち上げて運用しています。
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●H-Ⅱ8号機 回収LE-7エンジン
1999年11月15日、H-Ⅱロケット8号機は種子島宇宙センターから打ち上げられました。しかし、その第一段エンジン、LE-7の異常停止により打ち上げに失敗しました。このエンジンは、原因を究明するために海洋科学技術センター(現、海洋研究開発機構)の強力を得て、小笠原諸島の北西約380kmの水深約3000mから回収されたものです。その失敗を忘れず、原点に戻り真摯にかつ謙虚な姿勢で技術研究・開発に臨み、将来の宇宙開発を成功へと導くため、我々自身への教訓の意味も込めて展示を行っています。
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●LE-7エンジン
H-Ⅱロケットのエンジンとして開発されたエンジン。1999年にH-Ⅱ8号機は打ち上げに失敗して、海に沈んだが、翌年に3000メートルの海底から回収することに成功し、分解して失敗の原因を調べ、その成長がLE-7Aエンジンに生かされた。
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●航行・測位衛星
現在ではカーナビは多くの車で利用されています。また、車だけでなく日常的にナビゲーションを使用することも多くなりました。このナビゲーションをより正確に、そして日本でさらに使いやすくするための衛星が準天頂衛星「みちびき」です。準天頂衛星システムは、常に日本の天頂付近に1機の衛星が見えるように、複数の衛星が準天頂軌道と呼ばれる傾斜地球同期軌道を周回します。初号機「みちびき」は2010年にH-Ⅱロケットで打ち上げられました。今後3機が追加され、4機体制で運用される計画です。
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●放送衛星NHKの取り組み
NHKは、1965年に放送衛星の打ち上げ構想を発表しました。NHK放送技術研究所が設計・製作したA型衛星、B型衛星は東京大学宇宙研究所のロケットで打ち上げる計画でしたが、実施には至りませんでした。1978年にNASAのデジタルロケットで実験用中型放送衛星を打ち上げ、受信実験を2年間行うと、1984年に国産のN-Ⅱロケットにより実用衛星2号(BS-2a)を打ち上げ、5月12日から衛星放送を開始しました。放送衛星はBS-3、BSAT-1、BSAT-2と引き継がれ、現在はアリアン5ロケットで打ち上げられたBSAT-3a、BSAT-3b、BSAT-3cの3機体制により運用されています。
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