旅行期間:2017年1月
1日目
お風呂であたたまって一息ついたあとは、離れの食事処「楽庵」で夕食です。
楽庵の建物に入ると、太い梁が渡された高い天井の下に大きなテーブルが並んでいました。好きな席へどうぞということだったので、窓際の二人席に決定。窓の外には中庭が良く見えました。
「養生館 はるのひかり」で出される夕食は、地元でとれる無農薬野菜を中心とした「養生食」というもの。
養生食とは
養生食、「楽庵」でご提供させていただく夕食は、基本的に野菜を中心とした食事でございます。
厳密な菜食主義の思想に基づくものではありませんが、ただ、ひとつひとつ異なる野菜の滋味を、じっくりと味わっていただきたいとの思いから、玄米を主食に、野菜の煮物・揚げ物・酢の物・和え物をバランスよく提供させていただきます。
玄米はよく噛んで召し上がることが大切ですから、時間をかけてゆっくりと噛み締めてみると、これまで気づくことのなかったお米の甘味や、野菜料理の旨味のそれぞれにお気づきになられることと思います。
しかも、よく噛むことで顎の筋肉を動かしますと、そんなにたくさんの量を食べなくても満腹感が得られますので、胃の負担を軽くしてあげられることが叶います。
「病は気から、元気は胃から!」そのように考えております。(宿の案内より)
料理は、僧院でも使われているという朱色の「応量椀」に盛り付けられ、見た目にも鮮やか。
食器「応量椀」について
夕食に供します食器は、僧院で使用されているものでございます。
宗派によってその呼び名が異なりますが、「応量椀」は禅宗で用いられる椀です。複数の器に盛り付けることで、煮物・揚げ物・酢の物等の量に応じた椀が用いられている事からこの名が付けられました。見た目の美しさもさることながら、栄養の配分も目視できるという先人の知恵が光っています。
托鉢用の鉄鉢の形を模していることから、「鉄鉢椀」とも呼ばれますが、五つの椀が、「入れ子」に重なりコンパクトに収まる点で大勢の食器を扱う僧院で重宝されました。(宿の案内より)
この日のメニューは、毎日発芽させてから炊いている無農薬自然栽培の玄米ごはん、自家製豆乳ソースのサラダ、野菜の粕汁、胡麻豆腐、風呂吹き大根、揚げ出し豆腐、菜の花のからし和え、林檎の寒天寄せで、ごはんはお代わり自由。これで総カロリー500kcal未満だというから驚きです。
カツオ出汁なども使うので、厳密には精進料理ではないということですが、私からすれば十分精進ちっく。
見た目の第一印象としては、全体的に薄味で少し物足りないのかと思いましたが、実際食べてみると、これが出汁がしっかりきいてまったくそんな感じはありません。食材もこの上なく新鮮なのがわかり、一口食べるごとにその元気が体に吸収されていくようです。よく噛んでゆっくり時間をかけて食べていくと、ごはん一杯でも十分満腹感を得られました。
あとで聞いた話ですが、健康的な養生食にはとことんこだわっているけれど、一方で美味しさも大切にしているということで、まさに両方が実現された贅沢な料理でした。これはぜひ、多くの方に食べてもらいたい。
【今回の取材記事はこちら】
一人旅歓迎の温泉宿!箱根湯本「養生館はるのひかり」で日常を離脱する逗留湯治
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