1日目
シャトルバスを降りると、茅葺屋根の立派な母屋が見えました。周りの竹林や山々の風景とあいまって、なんだか日本昔話のよう。
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今回宿泊する、ネットで発見してビビッときたお宿というのは、
箱根湯本温泉 「逗留湯治」の宿 養生館はるのひかり
名前の通り、箱根の温泉に逗留して養生することを目的としたお宿です。
養生館「はるのひかり」とは
昭和21年にこの地で開業しましてから、七十年近くが過ぎました。
かつてこの場所は、財界人のあいだで数寄茶の趣味が広がった大正初期に、(旧)三井財閥中枢の、三井合名の重鎮であった有賀長文氏が、広大な茶庭に茶室を配した別邸として建造された場所の一部でございました。
温泉宿としての開業の当初は、今も残る茶室一棟からの始まりでした。竹藪の中に茶室一棟。その趣から「雀のお宿」と呼び慣わされてまいりました。おのずと、一日一組がその始まりでございます。やがて棟を増やし、建て増しを重ねながら現在に至ってまいりました。
激動の時代の幾星霜、時代とともに移り変わってまいりましたが、創業七十年を迎えるにあたり、開業の原点でありました温泉宿の根本に立ち還るべく、源泉湯治、養生の施設として、このほど改装工事を終えました。増築した過半を撤去して、十余室の小さな宿に成りましたが、ひと晩の、夢のような饗宴の宿ではなく、長逗留をしながらご自身と向き合っていただけるような宿屋として、仕立て直しました。(宿の案内より)
湯治について
江戸時代、箱根の湯治といえば七日ひと巡りがそのスタイルで、これを二巡り三巡りする湯客も多かったと伺います。これだけの長逗留のできる心の余裕こそあれば、たいがいの疾患は湯で癒されたことと思います。
しかし、慌ただしい日々を過ごさざるを得ない現代人にとっては、かなわない夢のような湯治とも映ります。
そこで、せめて一泊で慌ただしくお帰りになるのではなく、どうか連泊なさって「何もしない一日」を味わっていただきたい、それが私共の願いです。
ご承知のように、温泉には様々なミネラルや有効成分が溶け込んでいて、体の疾患には効きます。でも、肝心なのはご自身の身の内と向き合っていただき、内なる悲鳴を聞きとってあげたいと、思う心から湯治は始まります。
どうぞ安心してお一人で、あるいは気のおけないご友人や、ご夫婦でご利用なさってみてください。(宿の案内より)
写真を何枚か撮りながら母屋へ近づくと、宿の方が扉を開けてお出迎えしてくれました。
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中へ入るとすぐにフロントがあり、その奥の茶室のあるロビーでチェックインの手続きをします。天井の立派な梁や黒光りする床と縁側、部屋の片隅の釜戸など、レトロ好きにはたまらない空間です。
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先客がいたので縁側に座って順番を待っていると、ウェルカムドリンクの生姜シロップ湯が出されました。生姜の香りが立つ甘いお茶でほっこり体が温まります。
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私の番がきて窓際の席に移動。ここで、宿に泊まる際の様々な説明を受けたり、食事の時間などを決めたりします。説明は、館内の見取り図や注意点など書かれた紙を使ってやってくれるのでとてもわかりやいものでした。
【今回の取材記事はこちら】
一人旅歓迎の温泉宿!箱根湯本「養生館はるのひかり」で日常を離脱する逗留湯治
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