2014年1月16日木曜日

空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む(角幡唯介):おすすめ本

世界一の峡谷と言われるチベットのツアンポー峡谷の未踏の地「空白の五マイル」の探検に挑んだ著者の記録。

空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む(角幡唯介)




ここ最近読んだ本の中で一番ワクワクしました。
ツアンポー峡谷は東チベットにある恐ろしく深い峡谷で、その険しさのあまり、名を馳せた世界の冒険家たちでさえ立ち入れない場所がありました。
それが「空白の五マイル」のエリア。


チベットには、インドから仏教を広めるためにやってきたパドマサンババが、チベットの数箇所にベユルと言われる理想郷をつくり、時がくるまで封印したという伝説があります。
その理想郷について書かれたテルマという経典があり、それは、しかるべき時代にしかるべき聖人テルトンが啓示をうけることによってのみ発見されるといいます。

その理想郷のうちのひとつ「ベユル・ペマコ」は最高の聖地とされ「最後の目的地」「中心」「最も危険な場所」という意味があり、この峡谷にあるという言い伝えが残っているそう。
17世紀にテルトンによってテルマが発見され、その伝説の理想郷探しが始まりました。

さらに、峡谷を流れるツアンポー川はチベット最大の大河で、この峡谷の中で姿が隠れその後どこに流れているかわからい謎の川でもあります。
私がチベットに行った時もこの川を見ましたが、その流れはとてもゆうゆうとしていました。
しかし、この峡谷の中での流れはとても激しく、そこをカヌーで渡り亡くなった日本人もいるそうです。

21世紀になっても、こんなに冒険心を掻き立てるような場所があったなんて感動。
新聞記者だっただけあって文章も読みやすく、峡谷の迫力や道中の苦労が手に取るように伝わってきます。
ハードカバー版には写真も掲載されているので一度手にとってみてはいかがでしょう。


【送料無料】空白の五マイル [ 角幡唯介 ]
【本の概要】
チベットのツアンポー峡谷に挑んだ探険家たちの旅を追い、筆者も谷を踏破。もう一度訪れたいと再び挑むが、想定外の出来事の連続に旅は脱出行と化す。第8回開高健ノンフィクション賞受賞作。

チベットの奥地にツアンポー峡谷とよばれる世界最大の峡谷がある。この峡谷は一八世紀から「謎の川」と呼ばれ、長い間、探検家や登山家の挑戦の対象となってきた。チベットの母なる川であるツアンポー川は、ヒマラヤ山脈の峡谷地帯で姿を消した後いったいどこに流れるのか、昔はそれが分からなかった。その謎が解かれた後もツアンポー峡谷の奥地には巨大な滝があると噂され、その伝説に魅せられた多くの探検家が、この場所に足を運んだ。

早稲田大学探検部に所属していた私は大学四年生の時、たまたま手に取った一冊の本がきっかけでこの峡谷の存在を知った。そして一九二四年に英国のフランク・キングドン=ウオードによる探検以降、ツアンポー峡谷に残された地理的空白部の踏査が一向に進んでいないことを知った。キングドン=ウオードの探検はほとんど完璧に近く、彼の探検によりこの峡谷部に残された空白部はもはや五マイル、約八キロしかないといわれていた。しかし残されたこの五マイルに、ひょっとしたら幻とされた大滝が実在するかもしれない。キングドン=ウオードの残したこの「空白の五マイル」は、探検が探検であった時代の舞台が現代まで残されている、おそらく世界で最後の場所だった。私は空白の五マイルを含めたツアンポー峡谷の核心部をすべて探検しようと心に決め、一九九八年に部の仲間と一緒にツアンポー峡谷に向かった。

空白の五マイルを目指した探検家は私だけではなかった。とりわけ米国の探検家たちは一九九〇年代以降、精力的にツアンポー峡谷に足を運び成果をあげてきた。一九九八年には探検家イアン・ベイカーの隊が、ある大きな発見も成し遂げていた。米国の探検家に後れをとった私は二〇〇二年冬、もう一度ツアンポー峡谷を目指すことに決めた。米国の探検家も行けなかった空白部の最も奥地に入りこもうと思ったのだ。しかも今度は無許可、おまけに単独だった。この旅で私は何度か危うく死にそうな目にあったが、それでも執拗に峡谷の奥地に何度も足をのばし、伝説的未探検地とよばれた空白の五マイルのほとんどを踏査することに成功した。

それから七年が経った二〇〇九年冬、私は再びツアンポー峡谷を目指すことにした。まだやり残したことがある、そう思い、私は前年に新聞社を辞め、自らの人生を賭けた探検に出発した。しかし現地に入ると七年前には考えられなかったことが次々とおこり、旅はいささかスリリングなものとなった。

【目次】
第1部 伝説と現実の間(一九二四年/憧憬の地/若きカヌーイストの死/「門」/レース/シャングリ・ラ)/第2部 脱出行(無許可旅行/寒波/二四日目)

【著者情報】
角幡唯介(カクハタユウスケ)
1976年北海道芦別市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、同大探検部OB。2001年、ヨットによる太平洋横断、ニューギニア島トリコラ北壁初登。02~03年、長らく謎の川とされてきたチベット、ヤル・ツアンポー川峡谷の未踏査部を単独で探検し、ほぼ全容を解明。03年朝日新聞社入社、08年同退社、同年ネパール雪男捜索隊隊員。10年『空白の五マイルーチベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』で第八回開高健ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
(「BOOK」データベースより)

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