5日目
これから見学する世界遺産の「スヴェティツホヴェリ大聖堂」は、ジョージア最古の大聖堂。
重厚な城壁の間にある入り口から入ります。
=====ガイド=====
赤レンガの城壁のオリジナルは11世紀、現在見られるのは18世紀のもの。門に牛の頭がついているが、角が月の形ににているため月の神様の象徴で、古い文化の影響が残っている。牛はキリスト教以前から、農業のシンボルでもあり、月の神のシンボル、また、4福音書のルカのシンボルだった。
ジョージア語で「スヴェティ」は「柱」、「ツホヴェリ」は「生命を与える」という意味。柱の伝説から名付けられた。この建物はジョージアが経済的に豊かだった11世紀に19年の歳月をかけて創建。13世紀の地震で崩れたが修復され今に至っている。
元々は、キリスト教がイベリア王国の国教となった後、ムツヘタの王宮の庭の木造聖堂の跡地に建てられた。ジョージアの聖堂の中では古さと大きさの点で群を抜く。
首都がトビリシに移った後も、長くグルジア正教の総主教座が置かれていた大聖堂であり、王の戴冠式などもこの大聖堂で挙行され続けた。
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門を抜けると、目の前に堂々たる大聖堂が現れました。
まずは外観を見ていきます。
=====ガイド=====
クジャクの彫刻の目は神様の目として考えられている。神様ががいつでも見ているという意味。
ハンマーのような彫刻はこの建物を建築したアリスキゼの手とされている。完成後、同じ美しいものが造れないように手を切られた。
窓の上にブドウがあるが、それは命の木で、正教ではこの世界と楽園をつなぐ木とされている。木の周りには丸い円が12個。円の中に古いジョージアの文字で12使徒の名前が彫刻されている。一番最後の円は空っぽで何も書かれていないが、これは、キリストを裏切ったユダのものだと考えられている。12人の使徒が祀られている教会。
一番上の窓は三位一体(父、子、聖霊)で、その左に鷹、ライオン、下には二人の天使とふたつの牛の頭がある。
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入り口でスカーフと腰巻をしていざ中へ。
美しいアーチを描いて立ち並ぶ柱の奥に、巨大なキリストのフレスコ画とイコノスタシス(聖障壁)が目に入ります。
=====ガイド=====
イコノスタシスの右側にはイエスキリスト、左に聖母子、右端に12使徒が描かれている。ジョージアでは、右端のイコンがその教会で祀られている対象となるため、この教会が12使徒に捧げられていることがわかる。
教会内部には、キリストが磔にされたエルサレムのゴルゴダの丘に建てられた聖墳墓教会を模して造られた小さな教会がある。そのため、ムツヘタは別名「小さなエルサレム」と呼ばれている。この教会は、もともと外にあったが、保存をするために今の場所に移された。
また、伝説にあったシドニアのお墓もあり、キリストの外衣の一部が今でも埋まっているとされている。
教会にはたくさんのフレスコ画があるが、そのほとんどが17世紀に描かれたもの。
最後の審判の絵には、正教では信じられていない星座や、ラッパで最後の審判を知らせたと言われる天使が描かれている。
■外衣の伝説
キリストが磔にされた際、ジョージアからエリオズという男がエルサレムに向かった。そしてキリストがまとっていた外衣の一部をムツヘタに持ち帰り、妹のシドニアに渡した。
すると彼女は喜びのあまり亡くなってしまい、その布とともに現在の大聖堂にあたる場所に埋葬された。
やがて、そのお墓から杉の木が生えてきたが、キリスト教を国教と定めた後、イベリア国王はシドニアのお墓の場所に教会を建てることを命じた。
その際、お墓に立っていた杉の木を切り倒し七つの柱を作ったが、七つ目の柱が宙に浮かび、聖女ニノが祈りをささげると聖水が流れ始めた。
その聖水が人々の病気を治したことから、「生命を与える柱」という意味の「スヴェティツホヴェリ」という名前が付けられた。
最初に建てられた木造の教会は、シドニアのお墓に生えた杉の木の柱を使って建てられたものとされている。
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やはりこういう場所は、ひとつひとつの意味を知りながら見ていくとかなり楽しめます。
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