マサチューセッツ工科大学の名物教授の講義。
著者であるウォルター・ルーウィン教授の授業はとても有名で、NHKでも放送されていたし、Youtubeでも見ることができます。教室を所狭しと動き回りさまざまな実験(ときには自らを犠牲にして)を実演するので、その授業はお客さんを前にした一種のショーのようです。
こちらは本なので実演はないですが、その授業の動画や参考になる画像が掲載されたサイトのURLが併記されているので、それを見ながら読むのもいいと思います。
物理学の本というと難しくて堅苦しいイメージがありますが、内容が、虹のメカニズムや探し方、ビッグバン、ブラックホールなど、私にとって興味のあるものが多く掲載されていたこともあり、堅物のカテゴリの中の本としては、とても面白くどんどん読めてしまいました。
そして何より、教授の物理学に対する愛情がひしひしと伝わってくる本でもあります。
教授はこれまでに様々な発見をしてきていますが、それには膨大な予算と時間、労力、忍耐などいろいろな問題を乗り越えてきたそうです。世紀の大発見の裏には、並々ならぬ努力があることを改めて実感しました。
【楽天ブックスならいつでも送料無料】これが物理学だ! [ ウォルター・ルーウィン ]
【内容】
2013年1月から放送の始まったNHKEテレ『MIT白熱教室』のテキストとも言うべき一冊!
マサチューセッツ工科大学は、学内の授業を、ユーチューブや、I-tunesU で無料公開を始めていたが、アメリカ国内ならず、イラクや中国の人々まで魅了して人気ナンバー1になっているのが、このウォルター・ルーウィン教授の物理学入門の授業。
例えば、エネルギー保存の法則を伝えるのに、教室に上からつるした鉄球を離し、反対側に設置されているガラスを粉々に打ち砕く(位置エネルギーが力に変わった)。さらにガラスを粉々に打ち砕いた鉄球を自分の顎からわずか2センチの位置で持ってこう言って離す。
「この鉄球の位置エネルギーは離しただけだから、これ以上増えることはない、したがってこの高さ以上にくることはない。だから、私の顔が粉々に砕けることはない」
教室にあがる悲鳴、が、鉄球は確かに教授の顔、2センチの距離まで振り子をかけあがるが、教授の顔は無事だ!
「ほら、これが物理学だ!!」 沸き上がる歓声。
虹はなぜ、あのような色の順番なのか? 空はなぜ青いのか? 寝て伸長を測ると、伸長が2センチも伸びるのはなぜ? ビッグバンはどんな音がしたのか? 雷のあと空気が爽やかなのはなぜ? 時間とは何だろう? 宇宙の果ての銀河が光速より早く遠ざかっている理由は?
教授は、本にこう書きます。「複雑な計算よりも私は、物理学の発見の美しさを教えたい」NHKでも放映。
【目次】
講座紹介 脳みそをわしづかみにする物理学の授業(ウォレン・ゴールドスタイン)/物理学を学ぶことの特権/物理学は測定できなければならない/息を呑むほどに美しいニュートンの法則/人間はどこまで深く潜ることができるか/虹の彼方にー光の不思議を探る/ビッグバンはどんな音がしたのか/電気の奇跡/磁力のミステリー/エネルギー保存の法則/まったく新しい天文学の誕生/気球で宇宙からのX線をとらえる/中性子星からブラックホールへ/天空の舞踏/謎のX線爆発/世界が違って見えてくる
【著者情報】
ルーウィン,ウォルター(Lewin,Walter)
1936年オランダ生まれ。マサチューセッツ工科大学教授。1965年オランダのデルフト工科大学で核物理学の博士号。1966年に招かれてマサチューセッツ工科大学の助教授に。70年代のX線宇宙物理学において数多くの発見をする(「BOOK」データベースより)
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