5日目
ランチの後は、トビリシから40分ほど移動し古都ムツヘタへ。
賑わう都会の街並みを見ながら、ムトゥクヴァリ川(ロシア語ではクラ川)を走っていきます。この川は、トルコから流れてきてカスピ海に抜けているそう。
=====ガイド=====
ジョージアは、トルコのカッパドキア出身の聖女ニノによって337年にキリスト教が国境になった。アルメニアに次いで世界で二番目。その前は木の神様アルマニを祀っていた。
聖女ニノの親は、彼女がまだ若いころエルサレムの修道院で働き始めた。そのため、ニノは友人の女性と一緒に暮らすことになったが、まだそのころエルサレムではキリスト教が完全には認められていなかったので、アルメニアにその友人と逃げることになった。
しかし、アルメニアの王によって友人が拷問に会い、ニノはさらに南ジョージアに逃げた。すると夢に聖マリアが出てきて、ジョージアでキリスト教を布教するように言われた。ニノは目覚めた後、ブドウの木を自分の髪で結び十字架を作り、その後、貿易商と一緒にムツヘタへ向かった。
その時、ムツヘタではアルマニの祭りが行われていて、王族も来ていた。ニノは、神様へのいけにえとして牛を捧げた。(牛の角の形は月に似ていて、神様の象徴だったため)
ニノはムツヘタに居を構え修行を始めたが、あるとき、女王が難病に患っていると知りそれを治した。またある伝説では、当時の王ミリアン国王がパリを訪れた際、突然目が見えなくり、アルマニ神に祈ったが治らず、ニノに祈ったら治ったためキリスト教になったともいわれている。
ニノがブドウの木で作った十字架は、トビリシのシオニ教会に保存されているが、1月27日のニノのお祭りの時以外は隠されている。
ミリアン国王がキリスト教を国教と定めた後、これから訪れるジュワリ教会のある場所に、ブドウの木の十字架を象徴として立てた。
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ムツヘタの町に入り、丘の上に建つジュワリ教会まで、どんどん坂道を登っていきます。駐車場でバスを降り、さらに徒歩で上までハイキング。
天気がよくて良かった~
=====ガイド=====
「ジュワリ」はジョージア語で「十字架」という意味で、上から見ると十字架の形になっている集中式四葉型(テトラコンチ)の建築。十字架型教会としては最初に建てられたもので、その後に建築された同型の教会の参考となっている。
ここから見えるのは、ムトゥクヴァリ川とアラグヴィ川の合流とムツヘタの町。巨大な教会「スヴェティツホヴェリ大聖堂」も見える。
この丘には、4世紀に聖女ニノとミリアン国王が立てた十字架の隣に小さな教会もあったが、今あるのは6~7世紀にステファノス王の命によって建てられたもの。1994年に世界遺産に登録されている。
この教会を建てる際、王から「十字架を建物の中央に立てること」との命令があった。そのため、今でも中央に十字架があるが、このような形式は大変珍しくこの教会だけ。今の十字架はレプリカだが、その場所が聖なる場として保存されている。
教会の入り口に二人の天使と十字架のレリーフがあるが、この図柄はジョージアの教会ではとても人気があり、発祥はこの教会の彫刻とされている。また、その上の方には、二人の男性が描かれているレリーフがあり、立っている方はキリストで、跪いている方がこの教会を建てた建築家と言われている。
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続いて中へ入ります。女性は帽子やスカーフを被るのが礼儀。
=====ガイド=====
この教会のドームには、それを支える柱が見えない。柱は壁にうまく隠されていてとても高度な技術が必要。こういうところも世界遺産に登録された理由のひとつとなっている。
ここにあるイコンはジョージアの歴史が描かれている。まだ新しく19世紀に描かれたもの。
板の壁は「イコノスタシス」というもので、この向こうに神父様とミサを手伝う人が入ることができる(男性のみ)。
そしてミサの最中は、神父様はドアの向こうから祈りをささげる。この壁は、神様は人間のために色々なものを隠しているが、信じて祈りなさいという意味が込められている。
十字架はブドウの木からできているのでまっすぐではない。これは、正教会の旗にも記されている。
正教会はカトリックと違って、祈りの際は座らない。楽器も使わず、歌だけで祈る。
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小さな教会なので、その中央に立つ大きな十字架がひときわ存在感を放っています。
キリスト教ではないですが、大仏様的な威厳があり、思わず手を合わせたくなる感じ。
最後は教会の周りを散策してみました。
ジョージアの教会は、戦いが起きた時に砦の役目も担っていたので、城壁がセットで建てられているものが多いのですが、ジュワリ教会の傍らにも城壁の一部が残っています。
ここは本当に景色がいいので、教会の参拝だけでなく、崖っぷちに座ってのんびりしている人がたくさんいました。
ジョージアを訪れたら、ぜひ足を延ばしてみてほしい場所のひとつです。
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