2018年11月4日日曜日

コーカサス旅行記#02-火が燃えるアテシュギャーフ(拝火教寺院)

旅行時期:2018年10月

1~2日目

空港の外に出ると、あいにくの雨模様で肌寒い。
用意されていたバスはかなり大きく、一人3席くらいはいけそうな感じです。カメラやなんだかんだで荷物が多いので、これはありがたい。






アゼルバイジャンでガイドをしてくれるのは、日本大使館でも勤めていたことがあるというベテランガイドのバラシュさん。
一見気難しそうなおじさんですが、日本人が好きという親日家。



=====ガイド=====
アゼルバイジャンは今回行く3カ国の中で唯一のイスラム国。人口は約1千万人で、そのうちの91%がアゼルバイジャン人。4%が北コーカサスからやってきた人々で、5%がロシアとかユダヤ教の人たち。

アゼルバイジャンの首都バクーは、南コーカサスの中で一番大きな都市で一番大きな港がある。
今は秋に入りかけているので、雨が増え始めている。でもこの雨は収穫に必要なものでとても大切。

イスラムというのは比較的新しい宗教で、それがやってくる前は拝火教(ゾロアスター教)という火を崇める宗教が主だった。
これから、最初の観光地アテシュギャーフ(拝火教寺院)へ行くが、その拝火教の場所。
博物館もあるが、中の写真を撮る場合は10マナト(約7ドル)かかる。ただし、スマホでの撮影は無料でOK。
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20分ほどでアテシュギャーフに到着。
バクーは「風の町」とも言われるほど風が強いそうですが、この日もビュービュー。嵐か台風かというくらい吹き荒れる中での観光です。






まずは、寺院の中央にあるメインの火の場所へ。




=====ガイド=====
1~2世紀くらいの間、ここはペルシャ帝国に統治されていた時代があった。寺院のあるこの場所は、1~2メートルも掘れば天然ガスが出てきて、自然に発火していたため、拝火教だったペルシャの人々に聖地とされ寺院が建てられた。

1世紀ころからこの神殿の建設が始まった。その時はササン朝のペルシャ。
7世紀頃にアラブ人によってこの辺りは滅亡させられ、アゼルバイジャンで作られた寺院というのはそのあと忘れらていた。

17世紀、インドの商人がこの地にやってきて、この寺院の跡を見て、拝火教寺院として再建した。そのために、財産をすべて寄付した。
後に、この場所を巡礼のために訪れる聖地とするため、シルクロードなどの商業目的ではない純粋な信仰のための道を作った。

1710年に、このあたりには拝火教の人たちが住み始め、それまで多かった盗賊などの悪人たちが信仰の方に傾いていった。
1910年、ロシアの統治下だった時代、ニコライ二世がここにやってきて軍事要塞を作った。そのせいで宗教は解散され、信者たちはこの場所を離れ、聖職者たちだけが残った。

寺院には21の部屋があるが、18世紀から20世紀はじめくらいまでは、約200人の信者が住んでいた。
拝火教というのは、ゾロアスターという人が開いた宗教。はっきりはしていないが、紀元前6世紀頃にイランのヤズドで始まったというのが定説。現在でも5000人ほどの信者がヤズドにいる。

毎朝6時に礼拝をする。キリスト教やイスラム教と同じで、拝火教にも聖典というのがあり「アベスタ」と呼ばれている。牛の皮(アベスタ・アベッチ)にサンスクリット語とペルシャ語のミックスされた文字で書かれている。

二人の神がいて、良い神がアフラマズダ、悪い神がアフラマン。この世はこれらの神で成り立っている。
彼らの中で戦いが起こっているが、最終的に勝つのはアフラマズダになるだろうという教え。しかしまだその時は訪れていなく、いつかやってくると説かれている。

インドにはたくさんの神々がいるが、そのうちの一人ヒンズー教の破壊神ビシュヌは4つの腕を持っている。この腕の意味は、地、天、水、火という自然のものを支え保っていることを表している。これを表したシンボル(スワスティカ)があるが、これはインドでも重要なサインだった。この寺院の門のところにもある。
2世紀にイランでゴールドのネックレスが発見されたが、それにもデザインされていたり、インドのマハラジャもスタンプに使ったりしていた。

拝火教では「地」というものは聖なるもだから、遺体を埋めたりしない。山に遺体を置き鳥葬をする。で、骨になったところで地に埋める。ワシやハヤブサは聖なる鳥として、幸運を運ぶとされている。

1920年、ドイツからナチスのヒトラーがきて、
我々は日本人でもなく、アラビアンでもアフリカンでもない特別な人種だ。昔のインドのように自分たちも自然を崇める。
そう言ってスワスティカをコピーした。ナチスのマークにはそのカギ十字とワシが配されている。

ザクロというのが一番いい果物とされていて、インドではエナフという。二つの意味があり、赤い色でも象徴されている「火」という意味がある。
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バラシュさん持参の写真なども使って詳しく説明してくれました。
これでも少し端折りましたが、かなりのガイド量。これはアゼルバイジャンの記事だけでも、けっこう長くなりそうです。

寺院の敷地内では、あちこちで火があがっていて、部屋の中を見学していると心なしか息苦しいような。。。


















展示されている人形たちが妙にリアルで、暗い部屋の中に入って脇にいたりするとけっこうビビります。
何度か悲鳴を上げながら見学しました。


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