2日目
朝、部屋の窓から外を見ると、木々の向こうに天山山脈の頭が少しだけ見えていました。
まさか、こんな間近に見えるとは思っていなかった。
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朝食はホテルのレストランでしたが、遊牧民族のユルト(ユルタ)を模した部屋でなかなかの迫力。
メニューはハムやチーズ、目玉焼きなど普通によくあるもので、日本人にも問題なく食べられると思います。
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食後、ツアーメンバーから上の階に行くと山がよく見えると聞いたので行ってみると、エレベーターホールに小さなテラスがあり、そこからギザギザと連なる山が見渡せました。目の前のパンフィロフ公園にあるゼンコフ正教教会の上部も森の上に少し見え、ここからの眺めはカザフの街中ではなかなかいいと思います。
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8時、ホテル出発。
日差しは強いものの、朝は涼しくてとてもいい気持ち。
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まずは添乗員さんから今日の行程の説明。
=====ガイド=====
今日はキルギスの国境を越えてビシュケクに入る。その後、博物館、バザールなどを見学しホテルに向かう。
国境を越えるときは、スーツケースも含め一旦すべての荷物を持っていく。
両替はビシュケクに入ってから。目安としは、ビールが2ドルくらい、ソフトドリンクが1ドルくらい。
お土産は、ほしいと思ったものがあったらその場で買うのがおすすめ。日本と違ってそこにしかない場合も多いため。
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続いてエミさんからカザフスタンのガイドと自己紹介。
=====ガイド=====
ビシュケクまでだいたい4時間、280kmある。
まずは少しカザフスタンについて。
カザフスタンは旧ソ連の国で1991年12月21日に独立した。その時からの大統領はナザルバエフ大統領。7月6日は彼の誕生日で、カザフスタン全国が休みになる。今年75才になった。
カザフスタンは、中国、キルギス、トルクメニスタン、タジキスタンと国境を接して、カスピ海とアラル海に面している。
天然資源が豊富で石油を輸出し国が潤っている。
人口は1860万人。
人口の割合について言うと、64%がカザフ人、20%がロシア人、その他ウクライナ人、ドンガン人、タタール人など。
1998年までの首都のアルマトイは、中央アジアではロシア系の人たちが集まっている。アルマトイの人口は150万人でその割合は、50%がカザフ人、30%がロシア人。
気候は大陸性の気候なので、平均は20度くらいだが、夏は暑く38~40度になることもある。今日は32度まで上がるそうだが、ちょうど2週間前はビシュケクもアルマトイも40度まで暑くなり大変だった。
冬はだいたいマイナス10度くらいだが、寒くなるとマイナス25度くらいになる。夏は暑いが乾燥しているので日本の暑さとはちょっと違う。
国土の50%以上は乾燥したステップなので、アルマトイのような町に人が集まっている。
1998年にカザフスタンの首都はアスタナにかわったが、アルマトイ出身の人は今でも本当の首都はアルマトイだと考えている人が多い。
アルマトイの意味は、林檎の里という意味。なぜかというと、ソビエト時代にはアルマトイは緑がとても多い街(1番のキエフに続き2番目)で廻りには林檎の木がたくさんなっていたから。今は少し建築物も増えてきてそんなにならないが、現在でもアルマトイ産のリンゴは中央アジアのバザールで誇りをもって売られている。
アルマトイには新車も増えてきているが、ほとんどが中古車。日産やホンダ、トヨタも走っている。アルマトイやビシュケクに中古車のバザールがある。
バスには番号が書いてありそれで行き先がわかる。料金はだいたい80テンゲ(40~50円)。バス停じゃなくても停まることがある。バスの中の席は多くて15席あるが、ぎゅうぎゅうになるまで乗ることが多い。
アルマトイでは普通の車でも、行き先と料金が折り合えばタクシーとして利用している。ビシュケクではそういうのはない。
カザフ人と日本人の顔はとてもよく似ている。キルギス人も似ているので、自分が日本にいたとき、よく日本人に間違われた。
私は2010年から11年まで大阪大学で日本語の勉強をしていた。
その前に高校を卒業して大学に入ってから日本語を勉強し始めた。その頃は日本語を勉強する学生も多く競争も激しかった。
例えば、日本語のコンクールとかあったら、まずは大学の中で選抜される。
3年生の時に初めて弁論大会に出て、まずは大学代表になり、国内で4位になった。その後、ウズベキスタンのタシケントで行われた中央アジア弁論大会に参加して、優勝はしなかったが、その時、タジキスタン、ウズベキスタン、カザフスタンから集まってきた現地の若者と公用語として日本語を話せるのはいいなと思った。
4年生になったとき、もう一度弁論大会に出てみようと思い挑戦したところ、国内で優勝した。そして、アルマトイで行われた中央アジア弁論大会では3位になった。また作文コンクールでは「子どものためにできることは何か」というテーマで作文を書いたら2位になった。
電子辞書や辞典などはこのようなコンクールでもらった。
さらに、4年生の夏に東京で行われた若者サミット「若者が平和のためにできること」というのに作文を出したら、200人の中で選ばれて1ヶ月で東京に行くことができた。その時は、福岡や大阪にも行くことができ、ホストファミリーもできた。
戻ってきてから、文部省のプログラムで合格すれば一年間留学できるというのにも挑戦したら合格することができ、大阪大学に行った。
大阪大学から戻ってきて、あと一年勉強しなければならなかったが、同時に日本語の先生もやっていた。卒業してからも大学の1、2年生の学生と日本人センターの社会人コースで日本語を2年間教えていた。
そしてちょうど一年前に旅行会社に入ってガイドとして仕事をしている。今こうして日本人の人と話せるのはとてもラッキーで、それは中央アジアではそうしたチャンスはなかなかないから。
今でもたまに教えていた生徒に会うが、先生は厳しかったと言われる。
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日本語の勉強を始めたころは難しくてやめようと思ったこともあるそうですが、今ではがんばって勉強してよかったと言っていました。
そういえば、ウズベキスタンに行ったとき現地ガイドをしてくれたドニヨルくんも学生時代に日本語の論文大会に出場したと言っていたな。
そんなエミさんが話す日本語はとても綺麗でわかりやすく、ガイドの内容も多岐に渡るので、あまり知られていないキルギスとカザフスタンについての詳しい旅行記ができそうです。
しばらく街中を走りやがて郊外に出ると、車窓には、建物に遮られることのない万年雪をかぶった天山山脈が現れ始めました。旅行の最初からテンションがあがる光景です。
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エミさんによれば、カザフスタンでは、天山山脈のことをイリスキーアラタウと呼び、「中国に流れているイル川の向こうの天山山脈」という意味だそう。天山の一番北にある支脈にあたり、アラタウとは一番高い山を表しています。
今回の旅行、久々に興奮して脳みそが痺れそうな予感。
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