旅行期間:2017年2月
2日目
移動が長いので、ワナさんのガイドも盛りだくさん。
=====ガイド======
今はまだ都会だが、ヤンゴン空港を過ぎると田舎の景色になってくる。
この辺りはヤンゴンの入口となる8マイル交差点。ヤンゴンの市内から8マイルの距離にある。バスを待っている人がたくさんいる。日本のような地下鉄もないので、主な公共の交通手段はバスになっている。ミャンマーでは、メートルではなくマイルを使う。
今日は3つの地域を通る。ヤンゴン地方域、パゴー地方域、モン州。ミャンマーには7つの州と地方域があり、ミャンマー連合共和国がつくられている。民族によって地域が分かれている。今は135の民族がいるが、その中でも主なものは80。一番多いのはビルマ民族で、ビルマ族が多く住んでいる場所が地方域になっている。それ以外は民族の名前の州になっている。
ミャンマーで写真を撮ってはいけいないもの。兵隊や警察、大使館、川を渡るための橋。でも橋はそんなに厳しくないので、警察がいないときならOK。あとは妊娠している女性を撮るのはタブー。
ヤンゴンではバイクは禁止だけど、郊外に出ると違反している人も多い。バイク自体も免許があるのは高く、ないのは安い。ナンバープレートがついていないのは免許をとっていない。
バイクが禁止なのは、ガソリンを節約したいため。ヤンゴンにはミャンマーの人口の約1割が住んでいて、その人たちの所得を考えると一人一台バイクが買える。そうなるとガソリンの消費量が多くなる。でも車ならガソリンは半分ですむ。あとの半分はミャンマーでとれる天然ガスを利用している。地方では、そんなに稼いでいる人はいないため一人一台は持てないから禁止してない。ミャンマーでの平均給料は1万5千円くらい。
もうひとつの理由に、かつての将軍のプライベートな問題があった。ある日車でヤンゴンにきたとき、バイクに乗った知り合いが挨拶をしようと思ってその車に近づき将軍を驚かせた。このときは大丈夫だったが、これがもし悪い人だったら危ないと思いバイクを禁止したとも言われている。
今ではヤンゴンの車の数は50万台くらいで、ミャンマー全体の8割くらい。ナンバープレートには5種類あり、よくあるのが赤と黒。赤は営業車でトラックとかバス、タクシーで一番多い。次の黒は自家用車。三番目は青で、観光用の車。四番目は白で大使館や国連関係の公用車。
左側に学校がある。今は進級の試験を受ける時期。それが終わると夏休みになる。教育熱心なので、試験のときは親が外でずっと待っている。ミャンマーの学校は6月から始まり、2~3月に試験がある。夏休みは試験のあとから5月までと長い。全部で11年間で、小学校が5年間、中学校が4年間、高校が2年間。
制服はみんな一緒で、下が緑で上が白。白の意味は、子どもだから心が何にも染まっていないということを表している。緑は、未熟という意味。小学生までは、スカートやズボンでもOK。でもそれ以上になると、民族衣装の腰巻ロンジーを着なければならない。
ヤンゴンは今では首都ではないが、大使館が今でも多く残っている。今の首都はここから200キロ以上遠いネーピードーに移ってしまったが、軍事政権時代に首都を勝手に移したため多くの大使館は移動しなかった。
しかしその中で、北朝鮮はネーピードーに移った。なぜなら、アメリカの経済制裁がありミャンマーと交流があったのが、ロシア、中国、北朝鮮のアメリカと仲が悪い国だけで、その時、武器を調達するため軍と関係あるのが北朝鮮だった。
首都を遷移した一番の目的は、ミャンマー軍が原子力爆弾のプレゼントがほしくて、その計画がバレないようにするためだったが、その計画は途中でばれてしまった。なぜそれがばれたのかというと、2007年にミャンマーのお坊さんたち約20万人が、ヤンゴンの道で裸足で歩いて軍事政権に抗議した。そのときに、軍がお坊さんを殺せと命令を出したが、下のレベルの仏教熱心な兵隊がそれを聞かずに逃げた。その逃げた兵隊の中に、爆弾の計画に関わっていた人たちがいて、その計画の情報をタイ経由でアメリカに知らせた。それで、軍がこっそり作っていた原子爆弾の事実がばれた。
それで、この国の上の方の人たちも、この国が変わらないといけないということに気付いた。また、ちょうどその時代には、世界中の独裁国家が潰されたりしていたので、もうすぐ自分たちの番になるかもしれないという危機感も手伝って変わって行くことになった。でもまだまだ軍の力が働いていて、純粋の民主主義にはなっていない。それに向けて努力しているところ。
スーチーさんが大統領になれないように、軍が制定した憲法がある。外国人と結婚した人、外国人の親せきがいる人はなれない。今は、現場で一番勢力を持っている人になっているが、軍関係者が4分の1くらい入っているので、軍の都合の悪い法律の制定などには反対される。戦争をやめれば平和になることはわかっているけど、やめると軍が儲からないから色々な理由をつけてやめない。ミャンマーは独立後から内戦が始まって、その長さは世界一。
ミャンマーは資源が豊かな国で、北部では翡翠が採れる。翡翠は世界中の95%がミャンマー産。その多くが中国に行っているが、中国はそれを中国産として売っている。東の方では、映画『ビルマの竪琴』にも出ているルビーやサファイヤが採れる。また、チック材という木材も多く生産している。
ミャンマーのメインの産業は農業で、主にお米。また海では、天然ガスや真珠、川では砂金もとれる。ミャンマーでは車は生産していないため、輸入するだけなので世界一高い。
ミャンマーの国は南北に細長く67万平方キロ。ミャンマーは川が多い国でメインのエーヤワディー川は北から南に流れていて2300キロある。山脈が三つあり東の方は中国側、西はインドとバングラディシュ側で、他の国との城塞のようになっている。北の方はヒマラヤ山脈の一部で、5800mの東南アジアで一番高いカカボラジ山ある。その山には一年中雪があるが、雪のある山は東南アジアでここだけ。その山の麓から、ミャンマー最大のエーヤワディー川が流れている。他の川はラオスやタイなどの他国をまたいでくるが、エーヤワディー川はミャンマーの中だけ。
今日行く山のパゴダは東の山の方にある。その山を越えるとタイに入る。ちなみに、日本軍がミャンマーに入ってきたのが、タイを経由して入ってきた。
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戦争のイメージがつきまとうミャンマーですが、車窓に広がる朝の光景はどこまでも穏やか。
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