旅行期間:2014年2月
1日目
夜6時。
ライトアップされたかずら橋を青い光に浮かび上がる氷瀑を見ながら渡ります。
この氷瀑は宿の人たちが作ったそうですが、ふと、八ヶ岳にある赤岳鉱泉のアイスキャンディを思い出しました。
橋を渡るとすぐ、お夕食処「平家隠れ館」の建物です。
階段を上がり入り口のところでどの部屋かを案内されるのですが、結構な数の部屋がありそう。
目的の部屋に入ると、大きな広間にいくつかの囲炉裏があり、それぞれ衝立で仕切られていました。
囲炉裏にはすでにいくつもの串が刺さっています。
席に着くと係りの人が料理の説明をしてくれました。
囲炉裏には岩魚、おもち、野菜、うずらの肉をヘラにぬりつけた一升べら、そしてその脇のお膳の上には、コラーゲン鍋や鹿肉のたたき、かまくらに入ったお刺身など彩り豊かに並んでいます。
あとから煮物や天婦羅がきましたが、天婦羅は囲炉裏の網で炙ってくださいとのことだったのでその通りにやってみると、カリカリになってとても美味しかったです。
しばらくしたころ、一人のお婆ちゃんが部屋に入ってきて、みんなの前に立ちました。見るからにお年を召していますが、着物をしゃんと着こなしゆっくりと話す姿は堂々たるもの。実はこの方、伴久二十四代目の大女将でした。(現在は二十五代目に継承している)
こんな歴史ある旅館の大女将が直々に、スタンダードプランのお客さんに挨拶しに来るなんて思ってもみなかったのでちょっとビックリ。隣の囲炉裏のお客さんも、数々の旅館に泊まり歩いているけどこんなのは初めてだと言っていました。
そんな私達をよそに、大女将はちょいちょい笑いをとりながら、語りかけるように旅館や料理の話をされ、みんなの心をひとつかみ。「囲炉裏の火をぼーっと眺めていないで上手く使うのですよ」と締めくくり、今度は各グループのところに順番に来て挨拶をしてくれました。
恐らくこれを毎日(女将と手分けするのかもしれないけれど)全部の部屋のお客さんにやるのでしょう。
恐れ入りました。
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