2021年1月31日日曜日

コーカサス旅行記#50-アルメニアの世界遺産「ハフパト修道院」01-教会内部

旅行時期:2018年10月

7日目

ジョージアの国境から約30kmの場所にあるハフパト村の「ハフパト修道院」へ。

=====ガイド=====
アルメニアの教会は、カトリックやロシア正教とも違い、アルメニア使徒教会で、アルメニアだけのもの。

これから様々な修道院や教会を見学するが、ジョージアなどと違って、キリスト教でない人はスカーフを被らなくても大丈夫。

ハフパト修道院では、10世紀から13世紀の建物を見ることができる。建物は固い玄武岩でできており、アルメニアにある教会などはどこでも使われている。
ハフパトとは「強い壁」という意味で、これまで地震や戦争などでも倒れなかったからこの名で呼ばれるようになった。
しかしそれ以前は、太陽が昇ると最初に教会に光が射したことから「聖なる光」という意味の「スビリシ」と呼ばれていた。1996年に世界遺産に登録されている。

修道院というのは、修道者がいて神父さんが住んでいたところで、教会というのは教会だけがあるところ。ハフパト修道院には18世紀まで神父さんが住んでいて、教会もある。
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まずは、教会のある建物へ入ります。
=====ガイド=====
この建物は、12世紀の終わりから13世紀の初めに建てられた。
入り口をはいったすぐの部屋は「ガヴィット」という場所で、4本の柱とドーム型の屋根で構成されている。
これは、キリスト教の三位(神様、神様の息子、精霊)の意味があり、三つの部屋がある。

アルメニアの教会の中には洗礼された人以外は入れないが、この「ガヴィット」は、洗礼されていない人たちでも入ることができる。また、9世紀から13世紀には王様のお墓が作られた。
なぜ洗礼をしていない人が入る必要があったかというと、戦時中は教会は砦の役目も果たしていたので、敵から身を守るために逃げ込める場所だった。

ドームの天井には明り取りがあいていて、その真下には雨が降った時の雨水を受け止める穴がある。またこの穴は、冬に暖を取るためや、供物台としても使われた。
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続いて、ガヴィットの奥にある教会へ。
 =====ガイド===== 
目の前に祭壇があるが、東に備えられている。なぜ東かというと、イエスキリストが世界に入ってきたのが東からだったとされるためで、これには世界を「明るくする」という意味がある。
祭壇は神聖な場所なので、神父様しか入れない。

アルメニアでは、13世紀まではキリスト教のことを伝えるような壁画を描いていたが、それ以降は戦争が始まったので絵も描けず、修復もできなくなった。

祭壇の壁には、12人のキリストの使徒が描かれている。13人の使徒がいたことになっているが、アルメニアでは、ユダは含めず12人となっている。12人の使徒のうち、聖タダオスと聖バムダミアウスの二人が1世紀にアルメニアにキリスト教を教えた。そのため、アルメニアでは「使徒教会」と呼ばれている。

教会の窓は、内側が広くて外側が狭くなっているが、これは戦争のときに誰も入れないようにするため。
窓の周りに描かれているのは、どうやってキリスト教がアルメニアに入ったのかや、どうやってアルメニア人はキリスト教を国教として認めたのかなどが描かれている。戦争や雨などでだいぶ見えなくなってしまった。

入り口の脇にある空いているスペースは、王様がお祈りをする場所。
アルメニアでは、毎日9時に神父さんがお祈りをし、ミサは毎週日曜日の11~14時に行われる。
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ちょうど私たちが見学しているとき、どこからともなく讃美歌の歌声が聞こえてきました。
石造りの教会の中で聴くその声は、静寂の中で透き通るように響き、とても心に残る体験となりました。

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