3日目
ランチのあとは、アゼルバイジャンの中でも美しいと言われる古都シェキの町へ一直線。
シェキの歴史地区とシェキ・ハーン宮殿は世界遺産にも登録されています。
=====ガイド=====
シェキはバクーから約325kmで、ここからジョージアの国境まで470kmある。
アゼルバイジャンにある州の中でシェキは一番大きく、5000年の歴史がある町。82の村185000人がいて、100%がアゼルバイジャンの人。
チェキというトルコ系の部族が最初にやってきて、その名前からシェキという町の名前になった。
シルクロードの要所として、桑の木がたくさんある。特にソ連時代、この町は最大の絹の生産地だった。当時、10万人の人口のうち12000人がシルク産業の携わっていた。現在はソ連時代の生産所は占めているが、個人でやっている人がいる。
赤レンガの建物がシェキの伝統的な建築で、18世紀のキャラバンサライが今も残り、宿泊施設とお土産屋となっている。
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赤レンガのかわいい街並みを見ながら、まずは世界遺産のシェキ・ハーン宮殿へ。
通常、大きなバスは坂の下の駐車場までしか行けないそうですが、今回は特別に宮殿に近い上の方まで行ってくれました。
=====ガイド=====
シェキ・ハーン宮殿は世界遺産に登録されている。
1762年に建てられ、シェキ・ハーン(統治者)が暮らしていた。
ペルシャのシラーズ(東洋のベニスといわれる町)から職人を呼び寄せて8年の歳月をかけて建てた。
すべて自然の染料で色づけしてある。二階建てで5つの部屋があり、広さは300平方メートル。
ハーンが、イスラムの天国(パラダイス)をイメージしたものをリクエストしたため、天国のモチーフとして、クジャクやザクロ、バラ、ガゼルなどデザインされている。
宮殿のまわりの城壁は、イランなどからの攻撃を防ぐため18世紀に造られた。
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建物の内部を見学していきますが、残念ながら撮影は禁止。
ガイドさんの説明のみでご紹介していきます。
=====ガイド=====
漆喰を塗って天然染料で色付けをした。一番の見どころはステンドグラスで、シェキの芸術家によって作られた。接着剤は使われておらず、きちんとはまるように設計されているため落ちない。
創建当時のはベネチアングラスで、今はロシアのもので修復されている。
染料は、玉ねぎの皮やクルミの殻、サフラン、タラドンなどから作っている。
ザクロ、ナイチンゲール(夜泣き鳥)、花がパラダイスの重要なアイテム。
息子が住んでいた部屋は、王家の色のインディゴが使われている。赤いザクロの色はイスラムの世界で発展していった色。
ペルシャやロシアなどとアゼルバイジャンの戦いの様子が描かれていて、400人の顔があるがふたつとして同じ顔はない。
絶大な力を持っていたチンギスハーンや、アゼルバイジャンの歴史も描かれている。
ハーンの奥さんが住んでいた部屋。彼女は詩人でもあったので、詩人の友人たちとここで会っていた。
ここは女性的なデザインで、自然の世界が描かれている。動物の王者のライオンは、弱肉強食が表現され、ライオンの顔が女性になっているのは、力があれば女性でも王になれることを表している。
4つのコーナーにガゼルが二頭ずついる。イスラムの世界では8は重要な数字で、天国に行ける8つの扉があると信じられている。
ガゼルはその扉の前で番人をして、悪人を中に入れないようにしている。また、ガゼルは美のシンボルで、オリエンタルの世界(中央アジアやイラン、トルコなど)では、美を例えるときに「ガゼルのように美しい」と言う。そのため、ジェイランというのはガゼルという意味だが、娘の名前に付けられることが多い。
イスラムの世界では、美しさのシンボルはラクダになっている。
1802年ロシアに占領され、そのときシェキ・ハーンも殺された。すばらしいカーペットもたくさんあったが全部取られ、今はどこにあるかわからない。
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部屋の装飾は本当に美しく、壁から天井から所狭しとカラフルな絵が描かれています。
ステンドグラスも見事で、ちょうど夕日が差し込む時間帯だったのですが、ステンドグラスを通った光が床や壁に映りとても綺麗でした。
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