2018年7月28日土曜日

オマーン旅行記#18-ジャブリン城で最も有名な「太陽と月の間」 (ジャブリン城その2)

旅行時期:2018年2月

3日目

=====ガイド=====
ここは、ジャブリン城の有名な「太陽と月の間」。上部の七つの窓は月の光をうつすように設けられており、下部の七つの窓は日中の強い日差しを遮るよう特別に施されている。「7」という数はイスラムにおいて特別な数で、天国は七つあり地球は七層からなるとされている。
壁上部には暑い空気を外に流すための格子窓が取り付けられ、床の上には涼しい空気を取り入れるための隙間が開けられているなど、この部屋には優れた多くの工夫が施されている。

ジャブリン城内の主な部屋を飾る木製天井は、最高品質のペルシャ絨毯にも匹敵する複雑な柄が描きこまれ、オマーンで最も芸術的に優れた天井とされている。この「太陽と月の間」の天井は、神の目の形を表す楕円形のデザインで構成されており、そこにいる人びとに、神の保護と自立を促す眼差しを投げかけている。
=============









「太陽と月の間」の隣の部屋。こちらの天井もステキです。

 


=====ガイド=====
ジャブリン城に宿泊する客は、この部屋に泊まった。客を手厚くもてなすことはイマームのしきたりであり、客にはその地位にふさわしい土産の品が贈呈された。
眺望の良いこの城からは、遠くを行く旅人ですら簡単に見定めることができ、来訪客を迎える準備をするために大変都合がよかった。来訪客が歓迎しかねる人物であった場合は、空砲を放って相手にその意思を伝えることもあった。
=============






階段を上って屋上に出てみました。
ガイドでも言っていた通り、眺望の良さは抜群です。

 










=====ガイド=====
風通しの良い屋上のこの屋は、学習したり考え事をするのに適していたため、アラビア語で「学校」を意味する「バドラッサ」と呼ばれ、コーランを学ぶ場として使われていた。
=============






=====ガイド=====
ジャブリン城の守備は、城内だけでなく城外周辺へも及んでいた。草原の中に堂々と聳え立つジャブリン城は、当時、ブライミ、イブリ、バハラ、ニズワと内地のオアシス集落と、近隣のガルフ諸国の間を行き来するキャラバン商人等の旅の安全も見守っていた。屋上からの眺望は一際すぐれており、敵に急襲の機会を与えない。

屋上の城壁は鋸歯状になっており、砲撃のための銃眼が多数施されている。こうした工夫により、ジャブリン城兵士は敵の攻撃をかわしながら素早く移動し、安全な位置から攻撃することができたため、隠れ場のない敵兵に対し数段有利な立場にあった。
=============






屋上から降りて、貯蔵庫などがある一番下の階へ。




=====ガイド=====
オマーンの城の多くには、デーツを貯蔵するための部屋が設けられている。これは長期の砲撃に備えるためで、ここジャブリン城でも例外ではない。
大量に積み上げられたデーツは自らの重量で潰され、下層部から自然と蜂蜜状の濃い蜜となり、床の溝を通ってビンに集められ、平穏時には食用として厨房で保存されたが、戦時には油攻めの要領で熱して城の扉の上部にある屋根から敵兵に向かって注がれた。
=============






=====ガイド=====
厨房の隣には食糧を保存するための部屋がある。蒸し魚、小麦、大麦、デーツなどの常用食品が保存されていた。蜂蜜、バター、ミルクなどの貴重な食品は、ガラス製の小瓶に詰めた後吊るして大切に保存されていた。飲料水は冷却効果を見込んで通気性のある素焼きの壺に入れ吊るして保存された。
=============






これでジャブリン城の見学はおしまい。
バハラ・フォートのように世界遺産ではありませんが、こちらの方が見所が多くガイドも充実しているので観光のしがいがありました。


【関連リンク】
古き良きオマーンを巡る!ニズワとミスファット・アル・アブリーン村観光


↓この記事がお気に召したらソーシャルで共有してくれると嬉しいです↓
(ボタンは記事の一番下)





0 件のコメント:

コメントを投稿