2017年7月15日土曜日

ミャンマー旅行記#34-シャン族とパオ族が暮らすシャン州地域

旅行期間:2017年2月

4日目

バスに乗りこみ、まずはタウンジーまで向かいます。山道が続き、高台から見える景色が素晴らしい。
途中、100年以上前にイギリスによってつくられた鉄橋なども見えました。今でも一日2本の貨物列車が走っているとのこと。遠くにはインレー湖の一部ものぞき、その手前には温泉もあるそうです。







=====ガイド======
ミャンマーには山脈が3つあり、東、西、真ん中に走っている。全部がヒマラヤ山脈から続いている。今日は東の山脈の北部にあるシャン高原に行く。30くらいの少数民族が暮らしていて、中国、ラオス、タイと国境を接している地域。

今走っているのはヘーホーの町で、シャンの言葉で「山に囲まれた盆地」という意味。ここにしか平らで広い土地がないため、空港が作られた。
ヘーホーはヤンゴンとは違い涼しくて過ごしやすいせいか、大人しくて穏やかな人が多い。農業が盛んで自分の家で採れるもので食事が賄える。

これから行くカックー遺跡の「カックー」は、シャンの国とパオの国の「州境」という意味と、「林」という意味がある。カックー遺跡は2400基以上の小さな仏塔が林のように並んでいる。「カックー」はもともと「イノシシに助けられた」という意味の「ワックー」という言葉からきた。パゴダを作るときに手伝ったり、完成してからも悪い人から守ったりした。

シャン州地域は、シャン民族が最初に入ってきて一番人口が多いから「シャン」と呼ばれている。シャン民族はもともと中国にいたが、中国人が少数民族を支配下に置こうとしたため諍いが続いていた。しかしその諍いに嫌気がさして、新しい土地を探しに中国を出て行った。そして、今シャン民族が暮らしているミャンマーのシャン州や、タイ、ラオスなどに散らばって行った。そのため、その地域の言葉は半分くらいが一緒なので、文字は違うが会話は理解できる。

シャン民族の人は、自分たちのことを「シャン」とは呼ばず、「ダイ(大)」と呼んでいる。外部の人は「シャン」と呼ぶが、それは「凸凹(山に住む人)」という意味と、「綺麗な人」という意味がある。ミャンマーでは色白の人が美人とされていて、シャン民族は色が白いため周りからそう呼ばれている。

シャン民族のあとにパオ族が入ってきた。パオ族は、アフガニスタンとかパキスタンとかかからやってきて、まだシャン民族が住んでいない山の上の方で暮らすようになった。シャン民族が暮らしている盆地に比べ、山の上の方ではお米も栽培できず貧乏になっていった。そのため、シャン民族に雇われるようになり、貧富の差が大きくなった。

しかし、シャン民族が暮らしている地域でマラリアが大流行した年があり、多くのシャン民族が亡くなったり北部に移住したりした。そのとき、パオ族が山の上からおりてきて肥沃な土地で暮らすようになり、そのころからシャン州南部がパオ族の地域となってきた。

パオ民族は、普段から黒と青の民族衣装を着ている。黒は、寒い地域なので太陽の熱を集めるためと畑仕事などで汚れが目立たないようにするため、青は結婚式とかお祝い事のときのため。若者は民族衣装を着ない人もいる。




これから向かうタウンジーは、パオ族の中心的な街でミャンマーで5番目に大きい。今ではパオ族はそこまで強く豊かになってきた。なぜかというと、パオ族が住んでいる山の上の方には、自然にタバコの葉が自生していて、紙タバコはミャンマーでは大人気のため、それがたくさん売れたから。

パオ族のあとにいろいろな民族が移り住んできたが、その中で有名なのがインレー湖に暮らすインダー民族。彼らは、船の舵を足で操作することで知られている。また、首長族(パドゥン族またはカヤン族)も有名。

このシャン州地域はミャンマー一内戦が多い地域で、今でも山の奥の方でミャンマー軍と少数民族の反乱軍が戦っている。シャン州は、タイ、ラオス、ビルマの三カ国の間にある地域で、アヘンが簡単に手に入る世界でも有名なゴールデントライアングルになっているが、それが内戦が続く理由のひとつになっている。

ミャンマーは世界一の翡翠の産地。200tくらいの大きな翡翠もとれる。ミャンマー軍や少数民族の人たちは、その宝石など自国の資源を中国に売って武器を買うため、武器を提供する中国は内戦を止めない。内戦がなくなるかどうかは、中国の姿勢にも関わっている。

中国は、ミャンマーの母とも言われるエーヤワディー川にダムを作って水力発電をする計画を立て、一度はミャンマー政府と合意したが、ミャンマー人たちの反対にあい頓挫した。しかし、少数民族の内戦を止めさせる代わりに、その計画を復活させようという話がある。
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恐らく、ミャンマーに来なかったらこんな話は一生知らなかったと思う。。

町を抜け再び山を上がっていくと、そろそろタウンジーに到着です。








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