2015年4月30日木曜日

凍(沢木耕太郎 ):おすすめ本

世界的クライマーとして知られる山野井泰史・妙子夫妻のギャチュンカン(7952m)登頂の模様を描いたノンフィクション。

凍 [沢木耕太郎]




ヒマラヤの難峰ギャチュンカン登頂に夫婦で挑むのですが、途中悪天候に阻まれ遭難しかけてしまいます。
標高7000m以上の場所で何日もすごさなければならなくなり、どんどん体力も奪われ凍傷も負い、さらには視力までなくなっていきます。



そんな状況を乗り越えベースキャンプに生還し、凍傷による指の切断、その後の生活までの壮絶な戦いがリアルに描かれているのですが、私はそんな過酷な状況の中での妙子さんのタフさと前向きさに特に感動しました。

妙子さんはこのクライミングをする前から別の山で凍傷になり指を何本か失っていたのですが、今回のでもひどい凍傷になって両手両足のほとんどの指を失ってしまいます。
しかし、それでも特に悲観することもなく「ないものはしかたない」とそこからどうやって生きていくかというのを考え、また山に登るべく入院中からトレーニングを始めてしまうという女性。

クライミングのスリルやヒマラヤの壮大さなどはもちろん味わえますが、それと同時にこういう生き方や考え方もあるのだなというのに気づかされるという意味でも読む価値のある本だと思います。


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【内容】
最強のクライマーとの呼び声も高い山野井泰史。世界的名声を得ながら、ストイックなほど厳しい登山を続けている彼が選んだのは、ヒマラヤの難峰ギャチュンカンだった。だが彼は、妻とともにその美しい氷壁に挑み始めたとき、二人を待ち受ける壮絶な闘いの結末を知るはずもなかったー。絶望的状況下、究極の選択。鮮かに浮かび上がる奇跡の登山行と人間の絆、ノンフィクションの極北。講談社ノンフィクション賞受賞。
【目次】
第1章 ギャチュンカン/第2章 谷の奥へ/第3章 彼らの山/第4章 壁/第5章 ダブルアックス/第6章 雪煙/第7章 クライムダウン下降/第8章 朝の光/第9章 橋を渡る/第10章 喪失と獲得/終章 ギャチュンカン、ふたたび
【著者情報】
沢木耕太郎(サワキコウタロウ)
1947(昭和22)年、東京生れ。横浜国大卒業。ほどなくルポライターとして出発し、鮮烈な感性と斬新な文体で注目を集める。『若き実力者たち』『敗れざる者たち』等を発表した後、’79年、『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、’82年には『一瞬の夏』で新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)


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