2014年10月29日水曜日

SPACE EXPO 宇宙博 2014 #07-日本の宇宙開発1(日本実験棟の「きぼう」2)

見学日:2014年9月

「きぼう」の説明のつづき。








●多目的実験ラック
ニーズに合わせて実験装置を交換
上段の扉を開けると実験装置を設置できる空間があり、水棲生物を長時間飼育できる水槽や、様々な試料を密閉空間で安全に燃焼させる燃焼実験チャンバーなど設置できます。水槽には水質を維持したり自動で餌を与える機能があります。その下には引き出し式のテーブルがあります。重力が無いのでテーブルにものを置くときは浮いてしまわないように面ファスナーで固定します。
成果
宇宙に滞在していると骨や筋力が弱くなります。宇宙で長期間飼育したメダカの骨密度を調べることで、骨が弱くなる原因=骨芽細胞(骨を作る細胞)より破骨細胞(骨組織を吸収する細胞)の働きが大きくなる理由がわかれば、寝たきりのかたの骨が弱くなることを防ぐことに役立つと期待されます。



●細胞実験ラック
重力下でも微小重力下でも細胞を培養
細胞培養装置には、微小重力で細胞を培養するトレイと、回転テーブルによる荷重力(0~2G)で細胞を培養するトレイがあります。同じ種類の細胞を異なる重力下で同時に培養することで重力の違いによる細胞の変化を観察したり、地上と同じ1G下で宇宙放射線が細胞に与える影響を調べます。その下には顕微鏡も備えたクリーンベンチ(無塵・無菌室)があり、実験試料を撮影したり、顕微鏡画像を液晶ディスプレイで観察することができます。
成果
1G下で細胞を培養し宇宙放射線に被ばくさせることで、地上で培養したものと比べて細胞の中にあるミトコンドリア(細胞内小器官)から出る活性酸素の量が多いことがわかりました。宇宙環境によるストレスは生活習慣病に似た状態をおこすことがわかりました。ミトコンドリアに起因する活性酸素をコントロールできれば、人々が健康に過ごすために応用できると考えられます。

●ポート共有実験装置(MCE)
五位一体!!
MCEには5つのミッション機器が搭載されていて、それぞれが異なった目的をもっています。
  • IMAP:地球大気と宇宙の境界領域で大気が光り輝く現象を観測します。
  • GLIMS:雷雲の上空で発生する発光現象及び雷放電の観測を行います。
  • SIMPLE:気体で膨らませることができるインフレータブル構造の実用性を実証します。
  • REX-J:宇宙飛行士の船外活動の支援技術獲得を目指した実験を行います。
  • HDTV-EF:家庭用カメラが宇宙空間でも使えることを確認します。

成果及び波及効果
  • IMAP:衛星からの信号を妨げる大気の乱れの謎を明らかにできるかもしれません。
  • GLIMS:世界で初めて雷放電と雷雲上空での発光現象を高精度に真上観測しました。その発生メカニズム、分布や特徴を明らかにすることが期待されています。
  • SIMPLE:将来的には、大型の宇宙発電衛星や動植物を生育させる設備への応用も期待できます。
  • REX-J:宇宙飛行士を手助けするロボットが開発されれば、宇宙開発の幅が広がります。
  • HDTV-EF:宇宙空間で家庭用カメラを有効に使うことができることが確認できれば、より安くかつ早く宇宙開発が進むかもしれません。

●超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(SMILES)
高感度センサ
地球を取り巻くオゾン層は「地球の宇宙服」として、危険な紫外線から生物を守ってくれています。しかしそのオゾン層は、人間の活動によって作り出された気体が原因で破壊されています。そこでSMILESは、オゾン層の保護や回復などに向けて、大気中のオゾン、大気にわずかに含まれる化学物質を高感度なセンサで観測することで、地球大気環境のより正確な理解に貢献しています。
オゾン層の動き
SMILESは2009年10月から地球大気の連続的な観測を開始しました。観測事例として、赤道付近の成層圏(高度約10~50km)オゾンが特異な分布をしていることを捉えました。さらに、これまで明らかでなかった成層圏オゾンが1日周期で増減する様子も初めて明確に観測しました。

●全天X線監視装置(MAXI)
宇宙のパトロール隊
MAXIはふたつのX線カメラにより構成されています。X線カメラはブラックホールや極超新星などの高いエネルギーの天体を観測することができます。このふたつのカメラを用いて、「きぼう」日本実験棟から広大な宇宙を見つめ、未知の天体や突発的な現象をいち早く発見して、私たちに速報で伝えてくれます。
成果
極超新星爆発の痕跡を発見
極超新星爆発は太陽の約40倍以上の星が終焉を迎える時生じると言われています。しかし、私たちが住む天の川銀河では、極超新星もその痕跡も発見されていませんでした。MAXIは世界で初めて天の川銀河の中でその痕跡を発見したのです。他にもMAXIは、数々の世界的な新発見を続けています。


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