2013年6月22日土曜日

夢か幻か・・タロット占い少女との出会いでまさかの開眼:日常の光景



以前紹介した、けん玉おじさん(「けん玉おじさんの襲撃!世の中危険がいっぱい」参照)に会った路線には、

タロット少女

も出没する。

あれはまだ、北風小僧の寒太郎がそこらへんをぶらぶらしている寒い季節だった。
彼女もまた、なぜだか私の近く(目の前)に座っていた。

シャッシャッシャッ

電車が走り出して少しすると、おもむろにバッグの中からタロットカードを取り出しシャッフルを始めた。

おいおいまた何か始まったぞ

私はまた笑いの神様が降りてくる気配を感じながら、薄目を開けて観察してみた。
通勤電車の中にしては結構ハデな行為だが、まわりのみんなは無反応だ。


一通りカードを混ぜ終わると、今度はひざの上に一枚一枚並べ始めた。
今までテレビなどで見たタロット占いを思い出してみたが、どう見てもスペースが足りない

いったい何を占っているのだろうか?

こんな場所で急遽必要になるような急ぎの占いってなんだ?

やはりスペースが足りないらしく、カードを重ねて置いている。
もはや下のほうのは隠れて見えない。

タロット占いはよくわからないが、あれで占いになっているのだろうか。
もしかしたら占いなどではなく、ババ抜き的な何かかもしれない。

バ・・ババ抜きって・・・



まずい、自分の思考が面白かった。
今回は笑いの神様ではなく、

自爆か

あわてて目の前の刺客から目をそらすが後の祭りだ。
涙があふれる。肩が揺れる。口が笑う。
こんな場面で一人で吹き出したくはない。こらえろ。

早くババ抜きから思考を逸らすのだ

私はその材料を探すべく、勇気を振り絞って再び彼女を見た。ネタが満載だからだ
良く見てみると、こんなところで占い(ババ抜き?)をやるのもおかしなことだが、彼女の見た目もちょっと変わっている。

寒い真冬日なのに、裸足で靴を履き、チェック柄のマスクをしていた。
服装もどことなく芝居がかっているような感じで、あきらかに周りから浮いている。
それは、そう、まるで、

現実離れしたピエロのような

・・・

・・・これは幻想か?

思えば、彼女の奇想天外な身なりと振る舞いに対する周りの無反応さはやはりおかしい。
この間のけん玉おじさんのときのようにチラ見するようなこともない。
そう思って改めてじっと目を凝らしてみると、どことなく透けているような気もしてきた。

ま、まさか、見えているのは私だけ・・?

そうか、昔から霊感はないほうだと思っていたが、実際は、こんな感じであまりにリアルに見えていたから気づかなかっただけなのかもしれない。
ついに開けてしまった「あなたの知らない世界」の扉。

これは、笑いの神様どころではないぞ

思わぬ能力の発見で、人生の新たな道が見えたのだ。
つまるところ、修行次第では、強力な「手に職」をつけられるかもしれない。
そんな自分にしかない能力は、リストラがはびこるこの現代社会においてはもはや必須アイテムだ。(履歴書への書き方については工夫が必要だが)

・・・いや、まてよ。
これだけの特殊能力があれば、なにも人に使われるポジションにいつづける必要もなくなるのではないか。
そう、

起業だ

CEOになるのだ



今はインターネットがあるから、高い賃料のかかる六本木ヒルズをわざわざ借りる必要もない。
打ち合わせが必要ならスターバックスに集合すればいいのだ。

しかし、CEOになるからには、やはりちょっといいスーツとか靴とか鞄とか身につけたほうがいいだろうし、月に一度くらいはエステで自分磨きも必要になるだろう。
アクセサリーだってプラチナとかルビーとか本物の石でなければ・・

・・・

けっこう金がかかるな・・

とりあえず最初は、企業の歯車になっておいてもいいか。

今後、具体的にどのような修行をすればいいのかとか、CEOになるにはいくらかかるのかとか、色々と確認事項はあるが、とりあえず、今の職場がクビになっても、そっち方面への転職の道が開けたことには間違いない。

・・・あ、駅についた

見事に思考をそらし今回も(笑いの)難を逃れることができた。
おまけに転職先まで発見してしまうとは、さすが私だ。


↓この記事がお気に召したらソーシャルで共有してくれると嬉しいです(ボタンは記事の一番下)↓



2 件のコメント:

  1. わおー
    第二段イメージが目に焼きついて電車を乗り越してしまいそうだ。明日から人間ウオッチが始まりそうだ。
    毎回楽しませて頂いています。

    返信削除
  2. かっぱさん
    コメントありがとうございます。
    その気でまわりを見ていると、いろいろと面白い光景に出くわすことがありますよね。
    これからもよろしくお願いします。

    返信削除